ゴーグルとサングラスのハイブリッド、「ゴーグラス」を雪山で使う

ゴーグルとサングラスの中間

ゴーグルを持っていくほどではないかな、という山行があります。

初冬の谷川岳」はまさしくそうでした。風雪に叩かれながら行動し続ける状況は考えにくい。そんなときいつも思います。ゴーグルとサングラスの中間くらいのアイウェアはないかな、と。

花粉症対策メガネ

花粉症対策メガネは顔との隙間が少くて良さそうです。

雪山などで行動中に使うには、もう少しレンズと顔のあいだに空間がないと曇りやすそうな気がします。

産業・研究開発用のゴーグル

産業・研究開発用のゴーグルは登山用よりコンパクトで安価ですが、ここまできたら登山用のゴーグルとあまり変わりません。

フレームまわりのモールドが固い材質(ゴム?塩ビ?シリコン?)なので長時間装着すると、顔にくっきり跡がつきそうです。

保護メガネ

もう少しコンパクトで、モールドが柔らかいスポンジ状の製品をやっと見つけました。

早速、Amazonでポチりました。

uvex 保護めがね X9175

正面

背面

正面クローズアップ

背面クローズアップ

モールドを外した正面

モールドを外した背面

普通のサングラスとサイズ感を比較

重量


重量は実測39gです。

取扱説明書その1

この保護めがねは、まぶしい光のもとでの作業、溶接作業、溶断作業、レーザー光による作業、また放射線取り扱い作業などには使用しないで下さい。

と記載があります。そこまで強い光線に晒されるわけではないので大丈夫です。

この保護めがねは、スポーツ、レジャー、娯楽(例:戦争ゴッコ、射撃)などの目的に使用しないでください。

と記載があります。強度は限定的だということです。

取扱説明書その2

クッションモールドを脱着できるのがすばらしい。

風や日射の強さに応じて、

  • サングラスモード
  • ゴーグルモード

を使い分けることができます。

「ゴーグラス」という呼称

こういうゴーグルとサングラスの中間的なアイウェアを何と呼んだら良いのでしょう。「ゴーグラス」? すでに誰かが使っていそうです。インターネットで検索してみたら、まさしくuvexが一部の製品「ゴーグルとめがねの融合 – X-9302ゴーグラス」に使用していました。

uvexの登録商標というわけではなく、他のメーカーの製品でも使われています。

安手のゴーグル、サングラスはクリアレンズのほうが良い?

オークレイのような高級品では、紫外線吸収剤をレンズに練りこんであります。一方、安手のゴーグル、サングラスは紫外線防止のコーティングがほどこされています。経年劣化でコーティングが剥がれ、UVカット効果が失われやすい。そもそも公称値ほどのUVカット効果があるのか不安を拭いきれない。UVカット効果はレンズの色の濃さとは関係ありません。単に濃い色のレンズだと、眩しさが軽減されるため瞳孔が開いて、むしろ紫外線に晒されやすく、逆効果になる危険があると言われます。

山と渓谷2017年1月号の「山岳装備大全 第10回 アイウェア」が参考になります。

バックカントリー穂高さんのYoutube動画「一流が選ぶサングラス 登山の必需品 BC穂高」でも言及されています。

一流が選ぶサングラス 登山の必需品 BC穂高

だったら、いっそのことクリアレンズのほうが良い

uvexのX9175はクリアレンズなので合格です。

Amazonのページには“UV(紫外線)を99%以上カットしています”と記載されていますので、安手のゴーグル、サングラス程度のUVカット効果は期待できるでしょう。

使用感

顔とレンズのあいだの空間はほどほどにある

通常のサングラスより顔とレンズのあいだに空間があるので曇りにくそうです。

クッションモールドは顔の曲面とほどほどに密着する

クッションモールドはいわゆるスポンジなので柔らかくて心地よいです。私の顔の曲面とはほどほどに密着します。人によってはピタリと密着するでしょう。

雪山での実戦投入

岩稜で呼気が侵入することがあった

初冬の西穂高岳でゴーグラスを使用しました。

正面を向いて歩いている分には申し分ありませんが、独標から急な岩場を後ろ向きに下ろうとして真下を向いたときに問題が発生しました。バラクラバの口元がたるみ、呼気が頬との隙間から吹き上がり、ゴーグラスの内側に侵入し、レンズを曇らせました。

もう少しフレームの柔軟性を向上して、クッションモールドが顔面にぴったり密着してくれると言うことがないのですが……。

激烈な日差しのもとで目を保護してくれた

過去最高の好天となった残雪の白馬岳でゴーグラスを使用しました。

上の写真は、白馬岳の頂上でなぜか中途半端にレインメーカーのポーズをとる私です。

視界はゴーグルと同等に広く、クリアレンズなので、見え方は裸眼と同じです。耳掛け式なので頭部の圧迫感はなく(その代わり、長時間かけていると耳の際が少し痛い)、装着していることを忘れました。気温が高いせいもあり(0℃前後で、直射日光が当たるので体感はもっと高い)、レンズの曇りはまったくありませんでした。

そして、一番気になっていた紫外線防止効果はどうだったか。露出していた鼻や口の周りは日焼けがひどくて、皮が剥け切るまで1週間以上かかりました。そのあいだ日常生活では恥ずかしい思いをしました。そんな激烈な日差しにもかかわらず、目にはなんのダメージもありませんでした。裸眼だったら確実に雪目になっていたはずです。紫外線防止の初期性能は申し分ありません。

変更履歴

  • 初公開(2017年12月10日)
  • 「岩稜で呼気が侵入することがあった」「激烈な日差しのもとで目を保護してくれた」を追加しました。(2018年4月14日)
登山装備
Kamiyama Online

コメント

  1. MURRAY より:

    様々な情報発信、ありがとうございます。大変役立っています。
    産業・研究開発用のゴーグルが紹介されていましたが、毎日仕事で使っています。
    金属加工時、飛散する金属片や粉塵からの保護用で、2ヶ月で使い捨ててます。
    長所
    *眼鏡の上に装着しても、全く問題なし。
    *新品の時は、視界は非常にクリア。
    短所
    *市販のマスクと併用すると曇りやすい。(頻繁にエアーブローが必要)
    *本体とバンドの結合部が壊れやすい。(事前にアロンアルフアで補強が必要)

    結合部については、アマゾンの製品画像で確認できます。
    本体側の楕円形の突起に、バンド側部品の楕円形の穴をはめ込む構造ですが
    ゴーグルの着脱を繰り返すと、負荷がかかり、バンド側の楕円形穴が割れます。
    楕円形部をアロンアルフアで固めれば、他の部分がへたるまで使えます。
    値段相応の品物ですので、修理が困難な山での使用はお勧めできません。

    「こんなのもあるよ」というスタンスで紹介されているので
    この製品をブログに掲載することの是非を云々するつもりはありません。
    いつものお返しに、情報提供させてもらいました。

    • kamiyama より:

      MURRAY様、コメントありがとうございます。
      実際にヘビーユースされている方からの情報は貴重です。
      私は目下、バラクラバの隙間から吹き上げる呼気を最小限にできないか試行錯誤しています。