初冬の谷川岳をカジュアルに登る【天神尾根】2017年12月3日

なぜ「カジュアル」なのか

昔、天神尾根から登り、熊穴沢ノ頭(避難小屋跡)付近にテントを設営しました。

その足で山頂に向かい、途中、肩の小屋わきでカップヌードルを作って食べました。

風雪とまではいきませんが、ガスで視界がきかない雪の中でカップヌードルをすすっていると、小屋から出てきた人が驚いた顔で「なかに入れますよ」と声をかけてくれました。我々は「こういう企画なんです」と笑って、そこで食べ続けました。

山頂を往復して、テントに戻ると、あとは一晩ぐたぐだと過ごします。当時の山行メモを見ると、夕食はすき焼きだったようです。翌朝はテントをたたんで天神尾根を下山するだけでした。

単に登頂が目的なら、軽荷で日帰りすればよかったのでしょう。しかし、雪の中でテント泊してこそ「雪山」だと思っていました。日帰りの「雪山」という発想がありませんでした。

また、現在のように他の登山者の記録がリアルタイムでインターネットにアップロードされて、現地の状況を予想できるような便利な時代ではありませんでした。行ってみなくてはわからない。泊まりがけで行けば、当日と翌日の2回、登頂をうかがうチャンスがある。それでわざわざテントとシュラフを担いで行ったのです。

それが今となっては……。

スマホアプリで山頂の登山指数「A」を知るや、早起きして、新幹線で乗り付けて、名にし負う西黒尾根(日本三大急登)から雪の谷川岳に登頂し、その日のうちに自宅でくつろいで写真を見返しているのです。

なんともカジュアル(普段着感覚)に雪山を楽しむようになったものです。

天神尾根

ヤマケイオンラインのコースタイム付き地図はこちらです。

「谷川岳ロープウェイ」の概念図を見ると、西黒尾根と天神尾根の位置関係がわかりやすいです。

山頂からの展望


トマの耳を望む。


平標山方面を望む。


一ノ倉岳方面を望む。


西黒尾根を見下ろす。奥に天神尾根、スキーのゲレンデが見える。

谷川岳肩の小屋


谷川岳肩の小屋まで下りてきました。


トイレは閉鎖されています。


小屋の前の鐘。付近にいた人たちが思い思いに鳴らしていました。


さて、天神尾根から下山しましょう。

天神ザンゲ岩


天神ザンゲ岩には4~5個のザックがデポされていました。持ち主はここから山頂往復? それとも付近にいらしたのでしょうか。


山頂を振り返りました。右の稜線にはザンゲ岩の三角形が見えます。


西黒尾根を望む。


天神尾根を望む。稜線の東側をトラバースする夏道がくっきり。右端に熊穴沢避難小屋が見えています。

熊穴沢避難小屋


熊穴沢避難小屋まで下りてきました。ここにも謎のザックデポがありました。

天神平スキー場


天神平スキー場に到着しました。


アイゼンを脱いで、駅舎に入っていきます。雪とお別れです。

復路の交通機関

谷川岳ロープウェイ


ロープウェイの窓から、西黒尾根を真横に眺めることができました。


「谷川岳ロープウェイ乗車券」。片道1,230円也。昔はこんなチケットを記念に保管したりしましたが、現在では気軽に写真に残せるので、すぐに処分します。

谷川岳ベースプラザ


谷川岳ベースプラザに帰還しました。


缶コーヒーでほっこり。最近お気に入りの「TULLY’S COFFEE エスプレッソ微糖」。甘ったるい「微糖」がはびこるなか、ブラック派が許容できる「微糖」はこれ。


水上駅に向かうバス。朝とちがい、雪山登山のいでたちの人は他にひとりふたり。下山のコアタイムでしたが、他の皆さんはいずこへ。

水上駅


今日、行動中は900mlのジュースとカロリーメイトだけで過ごしました。食事らしい食事をしたいのですが、水上駅前には一人で気軽に入れる雰囲気の飲食店が見当たりませんでした。


なんとキオスクも閉店中。立ち食いソバの類もありません。待合室は私のほかに2人。閑散としていました。

高崎駅


高崎駅のホームに立ち食いソバくらいないかな、と覗きましたが、見つからず。NEW DAYSでおにぎりを買って食べました。あとで湘南新宿ラインのホームに行ったら、一番奥にありました。無念。

こうしてカジュアルな雪山登山の一日が終わりました。

活動記録

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