昔ながらのツバ付きの目出し帽(バラクラバ)が登山用品店から消えた

昔ながらのツバ付きの目出し帽(バラクラバ)が登山用品店から消えた

雪山復帰の初戦。

私は黒百合平から東天狗岳を目指して登りました。樹林帯から稜線にさしかかると、風雪が強まり、目に雪が飛び込みます。サングラスをかけよう。うわっ、一瞬で曇った。あれれっ、こんな感じだっけ? 仕方なくサングラスなしで過ごしました。ゴーグルまではいらないだろうと携行していませんでした。行程が短いので事なきを得ました。

耳付き帽子とフェイスマスクの組み合わせは今一つ

バッドランドキャップとフェイスマスク

頭や顔まわりは、耳付きの帽子とフェイスマスクを組み合わせていました。

耳付き帽子

以下の条件でピックアップしました。

  • 水を弾くシェルを使用していること。ニットだと雪が付着してしまいます。
  • 裏起毛の耳当てが付いていること。
  • 顎の下でバックルもしくは後付けのゴム紐で止められること。
  • 重厚すぎないこと。南極のオーロラ見学でかぶりそうなモコモコはいりません。

オンラインショップで購入。販売サイトに掲載されている写真の印象とちがい、頭の鉢が末広がりで浅く、ちょこんと頭のてっぺんに乗せる感じです。顎のバックルを止めずに頭を大きく動かすと簡単に脱げそうです。若者向けのローライズパンツを履いたような居心地の悪さがつきまといます。逆に、ツバは広すぎる。なんともアンバランスな製品です。

※ 私が購入したのは旧モデル。現行モデルはツバが小さめになりました。

その他、いろいろなイヤーフラップ付き帽子についてはこちらの記事をご参照ください。

mont-bell-north-pole-cap

フェイスマスク

首の後ろでベルクロ止めするコンパクトな製品(メーカー不詳)を選びました。ICI石井スポーツで購入しましたが、総合カタログには載っていません。

この組み合わせはあまり快適ではありませんでした。帽子のほうはバックルを止めてしまえば安定するのですが、ツバが広すぎて、視界が悪い。フェイスマスクは面積が少なく、首周りの防風保温性に劣りました。そのくせに呼気はしっかりはね返すので、冒頭で書いたようにサングラスが曇りやすかったです。

防風性が高すぎると、サングラスが曇りやすい

下山後、どうやらフェイスマスク(目の詰んだフリース素材)の防風性が高すぎることが原因らしいと気づきました。呼気がはね返されて、目の穴から上に向かって噴出するのです。フェイスマスクの口元には通気を高めるためにディンプル加工がほどこされていますが、行動中の荒い息を通すには全然足りません。そんなこと常識だろう、と思われるかもしれませんが、昔はこの手のトラブルにあまり悩まされた記憶がないのです。

ツバ付きの毛糸の目出し帽の良いところ

目出し帽から顔を出してクラッカーを食べる

私は昔、ツバ付きの毛糸の目出し帽子を使っていました。毛糸、と言ってもウールではなく、アクリル素材の安物だったと思います。とうの昔に断捨離しました。

風雪のなかでは小さなツバが頼もしい

小さなツバがあると、俯いたり顔をそむけたりすれば、風雪が直接目に当たるのをかなり防ぐことができます。上着のフードに申し訳程度に付いたツバではなく、顔面に密着したツバこそ効果が高いのです。

編み目の粗さで呼気がよく抜ける

目の詰んだフリース製より呼気が抜けやすいです。裏を返せば、防風性は低いです。が、顔面が冷たすぎると感じたことはありません。「防風通気性」のバランスの良さがもっと見直されてもよいのではないでしょうか。

バラクラバ、ヘッドウォーマー、フェイスマスク、ネックウォーマー、キャップの五変化に対応している

これは今風のバラクラバでも可能ですが、以下の四変化に対応しています。

  • バラクラバ(目だけ露出する)
  • ヘッドウォーマー(顔面だけ露出して、頭部・鼻・耳・首を覆う)
  • フェイスマスク、(頭部を露出して、鼻・耳・首を覆う)
  • ネックウォーマー(首だけ覆う)

わざわざ言及されませんが、

  • キャップ(頭部だけ覆う)

としても当然使えます。今風のバラクラバはタイトフィットなので、キャップにするとなんだか「ショッカー」か「もじもじくん」みたいであまり恰好がよろしくありません。ツバ付き目出し帽なら、ツバがあるぶん体裁がいい。もちろん耳まで覆うこともできます。これなら快晴無風時に日差し除けになりますし、行き帰りの電車でかぶっていても違和感がありません。

登山用品店から消えた

PAINEブランドの目出し帽

雪山に復帰するにあたって、ツバ付きの目出し帽を買い直そうとしたのですが、首都圏の大手登山用品店では見つかりませんでした。品揃えが豊富なICI石井スポーツの総合カタログにも見当たりません。いや、あるよ、といかにも欧米風の「バラクラバ」を指さされても困るのです。「バラクラバ」にはツバがありません。あってもごく一部の製品で、申し訳程度にちょこんと突き出しているだけです。

次のシーズン、やっとICI石井スポーツの店頭でPAINEブランドの目出し帽を見つけました。

その他のツバ付き目出し帽

この記事を初公開時に「登山用品店から消えた」というタイトルにしましたが、その後ちらほらと見かけるようになりました。

mont-bell / メリノウール ニット 2way キャップ

これを実際に購入しました。口元の通気性が良いです。

メリノウール ニット 2way キャップ – mont-bell

MAGICMOUNTAIN / メリノバラクラバ

Merino Balaclava Cap – MAGICMOUNTAIN

Foxfire / アクアガード ニット バラクラバ キャップ

アクアガードニットバラクラバキャップ – Foxfire

マウンテンハードウェア / アルパインバラクラバ

現代風のバラクラバですが、小さなツバが付いています。

millet / パワー ストレッチ フェイスマスク

鼻、口を覆う部分がネオプレン製の立体裁断になっています。ごく小さなツバが付いています。

「ツバ付き目出し帽」礼賛になってしまいましたが、まだまだ工夫の余地がある装備だと思います。編み目の粗い表面には雪が付きやすいので、頭部やツバをナイロン製のシェルで覆いたくなります。モンベルあたりがシェル内蔵の目出し帽を作ってくれないものでしょうか。

変更履歴

  • 初公開(2017年1月29日)
  • 見出しを整理し、写真を追加しました。(2019年1月7日)

コメント