雪山から下山したら、バスがもうすぐ発車しそう。急いでピッケルカバーを装着しよう。うわっ、連結式のテープが硬化していて、凍えた手ではうまく操作できない。ひとまず剥き出しのまま持ち込んで、バスのなかで落ち着いてやろう。
……なんて実際にあった話ではありませんが、下山して疲れているところに細々とした作業を強いられてイライラした経験があります。
この古いピッケルカバー(KAJITA製!)はあまり操作性がよろしくない。私は山から帰ると、テープをゴム紐に交換しました。3秒で着脱できるようになりました。交換前は15秒くらいかかりましたから、その差は5倍です。
これは切り詰めることが時短と軽量化につながる良い例です。
ほんのわずかな効率化ですが、これが他の全ての装備で実現したらどうでしょうか?
テント泊の翌朝、装備をザックに詰めて、身支度を整えて、出発できるようになるまで、所要時間が15分と75分とでは大違いです。
まあ、そこまで極端でなくとも、手際が悪くて60分もかかっていた朝支度が、30分で済むようになれば、一日の行程に余裕ができますし、寒気の強い早朝に手足が凍える時間を短くできます。
モノによって最適解はちがう
テントの収納
霜が付いてゴワゴワのテントをスタッフサックに詰め込む時間を短縮できないか? どこの家庭にもあるポリ袋に押し込んで圧縮する方法がおすすめです。
ダウンシュラフの収納
ダウンシュラフはテントのようにはいきません。膨張力が強く、ポリ袋のなかで暴れるため、空気を抜くのに苦労します。
比較的薄手のダウンシュラフなら、衣類圧縮袋を利用するのが一案です。
ただし、スタッフサックよりすこし重量が増えるのが難点。時短と軽量化が相反する例です。
いっそのことスタッフサックを利用せず、シュラフをザックの底に押し込み、上から詰める荷物で自然と圧縮したらどうでしょうか。手間が省けて、かつザックの底が隙間なく埋まります。
しかし、厳冬期用の厚手のシュラフだと大型ザックいっぱいに膨らむほど復元力が強いため、片手で押さえながら他の荷物を詰めなくてはならず、かえって時間がかかる羽目になります。
一周まわって、厚手のダウンシュラフに限っては、付属のスタッフサックに詰めるのがいちばん効率が良い、と言うのが個人的な結論です。
まとめ
時短の例をたくさん挙げたいところですが、私自身が試行錯誤の真っ最中です。また、登山の準備から実際の活動、後始末まで、あまりに範囲が広いため、ひとつの記事をまとめるのが大変です。
何か思いついたら書き足します。
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