雪の高尾山で滑落した

滑落はしましたが、転倒はしませんでした。という、ややこしいお話です。

1月22日に関東甲信地方を中心に大雪

週末の1月27日(土)、1月28日(日)には、大勢が雪の高尾山を楽しんだことでしょう。

ITAGAKI.TVさんのハイキング会が予定通り1月28日に開催された模様です。

雪の高尾山。登れるか下見してきた(稲荷山コース)
【残雪】24人で高尾登山|ITAGAKI.TVハイキング会の報告

参加しないまでも、こっそり遠くから見学しようかな~なんて思っていましたが、出かけそびれてしまいました。

降雪直後よりも危険!

週が明けて、1月30日(火)に時間を作って出かけました。

定番の「稲荷山尾根から登り、1号路から下山する」コースです。

降雪直後まだ靴が潜るうちはさほど危険ではありません。大勢が登り降りして、雪が踏み固められたあとのほうが危険です。

稲荷山尾根の危険箇所

稲荷山の休憩所を過ぎて、6号路と合流するまでに、手すり付きの木の階段があります。その手前の斜面が危険な状態でした。登りでもツルツル滑りました。ちょうど下りですれちがった方は難儀されていました。

1号路の危険箇所

山頂からの下り。大きなトイレを左に見送り、電波塔を右に見送ったあとの下りがアイスバーン化していました。注意を喚起する臨時の看板が立っています。道端にうずくまっている女性がいました。たぶん転倒して身づくろいをされていたのでしょう。

私は中腰になって、左側の低い石垣につかまり、ズズッ、ズズッと小股に足を進めていきました。と、その時、ツツーッと滑り始めました。尻餅をつけばすぐ止まる傾斜ですが、「八ヶ岳のアイスバーンで一度も転ばなかったのに、ここで転んでなるものか!」と意地を張り、石垣の上っ面を手のひらでなぞり制動をかけようとしました。

止まらない、止まらない。焦る自分と、それを客観的に見ている自分。走馬燈のように過去の記憶がよみがえる……とまではいきませんでしたが、たぶん山岳地帯で滑落すると、こんな心理状態になるのでしょう。滑落した距離は5~6メートルくらい。尻餅をつかずにもちこたえました。女性が笑うのが聞こえました。本人は必死ですが、はたから見ると面白い光景だったろうと思います。

やがて女性は立ち上がり、おっかなびっくり歩き始めました。私もあとに続いたのですが、だんだん引き離されます。女性は簡易アイゼンか何か取り出して、装着したのかもしれません。靴の外見は長靴っぽいですが、ソールはアウトドア仕様に見えます。薬王院の本堂あたりで追いつきました。そこから先は路面にまったく雪がないので快調に下山しました。

反省:滑落では初動停止が重要

雪山の滑落でよく言われることですが、滑落する速度が上がる前に、なりふり構わず初動停止することが重要です。高尾山の例で言えば、あっさり尻餅をついてしまえば、その場で止まりました。まぁ、もう少し長く滑ったら、いやでもそうした(そうなった)と思いますけど。

雪山で派手に滑落(と言っても、5~6メートル)した経験が一度あります。甲斐駒ヶ岳から黒戸尾根を下山中、五合目より下だったと思います。なだらかな樹林帯で完全に気を抜いていました。足元が崩れて、左側の斜面に滑落しました。何もしなくてもすぐに止まるような場所だったのですが、ピッケルで制動をかけようとしました。が、人間は足元が急に崩れると、バランスをとろうとしてバンザイするんですね。右手に持っていたピッケルのスピッツェ側を左手に引き寄せることができません。滑落はすぐに止まりましたが、もし斜面が長く続いていたら、制動姿勢をとった頃には止められないスピードになっていたと思います。恰好にこだわらず、逆さまのピックでもなんでもいいから雪面に突き刺すべきでした。あるいは、手でも指でも雪面に食い込ませるべきでした。

それ以来、ゆるい稜線では、身体の前でピッケルを両手で持つようになりました。たとえば、右手でヘッド部分、左手でシャフトの下端を持ちます。これなら突如足元が崩れてもすぐに制動姿勢をとれます。漫然とスピッツェを雪面に突いて歩くより安全ですし、片手だけ疲れずにすみます。どう考えても滑落する要素がない時は、「マサカリ持ち」することもあります。

異論あり⁉︎ ピッケルのザックへの取り付け方、持ち方、携行方法
雪山の教則本やインターネットでよく紹介されている「ピッケルのザックへの取り付け方」を私は採用していません。その理由について、書いてみます。 また、滑落停止とか、ビレイの支点とか、行動中の「利用法」についてはよく言及されますが、「利用し...

「ビブラム アイスバーン 滑る」

高尾山にはいつもどおり山幸のオリジナル軽登山靴を履いていきました。

「固いビブラムソールって、アイスバーンでは滑り放題なんじゃないの? ジョギングシューズのような柔らかめのゴムのほうが滑らないんじゃないの?」

と思い、インターネットで「ビブラム アイスバーン 滑る」を検索してみました。

「ビブラムはアイスバーンでは滑るよね~」という声を聞いて自分を納得させたかったのですが、検索結果のトップには「滑らないビブラム」の情報が出てきました。

それはメレル社の靴で採用された「Vibram ARCTIC GRIP」です。テカテカの氷の上でも滑らない様子が動画で公開されています。

Merrell Arctic Grip commercial: Ice Hockeyplayer SVEN
Vibram® Arctic Grip

低山向きのハイキングシューズ

男性用「スノーシューズ モアブFSTアイスプラスサーモ 」

女性用「スノーシューズ モアブFSTアイスプラスサーモ 」

低山ではこれくらいがいいのかもしれません。山幸のオリジナル軽登山靴を履き潰したら、この靴は候補のひとつになりそうです。いつになることやら。

 アウトドア志向のタウンシューズ

男性用「ジャングルモックアイスプラス」

女性用「ジャングルモックアイスプラス」

「コールドパックアイスプラスモックウォータープルーフ」

現在、「アウトドア志向のタウンシューズ」としてはミズノの「ウエーブ アドベンチャー」(ゴアテックスサラウンド! 2016年9月になぜか配送料込み8,461円という安値で入手できた)を履いています。

脱ぎ履きがラクなモックタイプは買い足してもいいかなぁ。

簡易アイゼンを物色した

八ヶ岳のアプローチなどアイスバーンで使えそうな簡易アイゼンを買うことにしました。

候補はモンベルの3機種。着脱しやすいタイプです。

「スノースパイク シングルフィット」

「コンパクトスノースパイク」

「チェーンスパイク」


最寄りのモンベルストアに行ってみたら、店頭には簡易アイゼンが1個も見当たりません! 店員さんに聞くまでもなく、今回の大雪で一気に需要が増大したのでしょう。

Amazonで注文することにしました。

「チェーンスパイク」は靴底全体にスパイクがあるので安定感抜群ですが、385gと重く、4,572円と高価です。ゴムの耐久性はどうでしょうか。「スノースパイク シングルフィット」(180g、1,619円)と「コンパクトスノースパイク」(190g、1,905円)を比較すると、重量と値段はあまり変わりません。「コンパクトスノースパイク」には交換用のゴムバンドが供給されています。

「コンパクトスノースパイク」に決定しました。昨夜注文して、現在、配送中です。

さて、今晩から明日にかけて、東京では降雪(みぞれ)の予報が出ています。今週末は高尾山に「現場検証」に出かけるのもいいかもしれません。

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