冬の岩場でリードクライミングやボルダリングの課題にトライし、一段落してダウンジャケットを羽織るとき、首筋に貼りつくシェルの冷たさが気になります。
立ち襟のシャツでも着ていれば緩和されるのでしょうが、筆者は軽快に登るためにクルーネックを着ていることが多いです。ダウンジャケットを羽織る前にいちいちフリース等を着込むのは面倒です。そもそもダウンジャケットは薄着のまま羽織るほうが体熱が伝わりやすく羽毛の膨らみが大きくなります。
ネックウォーマーも同様で、付け外しがおっくうだったり、行方不明になりがちだったり……。
それもこれもダウンジャケットの襟の内側が最初から起毛していれば解決する話ではありませんか。
主要アウトドアブランドのダウンジャケットで、襟の内側に起毛素材を貼った商品をとんと見かけなくなりました。モンベルのダウンジャケットには伝統的に採用されているものの、かなり起毛が薄くなりました。個人的にはデザインやポケットの配置(胸ポケットはぜひ欲しい)が気に入らないこともあって手を出しにくいです。
そこで自作に踏み切りました。
材料として、キャンドゥでネックウォーマーを買ってきました。ダイソーやセリアなど他の100均でも同様の商品を入手できるでしょう。
生地は二重になっています。ハサミで切ると、裏地はメッシュ状の生地になっています。
ダウンジャケットの襟に付けるには、半分以下の高さで十分です。つまり、このネックウォーマーひとつから4着分の材料を得ることができます。
切り口から大量の毛が抜け落ちます。手でしごいて、あらかた落としきったら、切り口をライターの火で軽く炙り、それ以上ほつれないようにします。
こうしてダウンジャケットの襟と同じくらいの面積の起毛生地ができました。
ダウンジャケットの襟に両面テープを貼ります。
今回はテストのため、接着力が強すぎないテープを利用しました。強く接着したいなら、衣類専用の裾上げテープを利用するとよいでしょう。
ネックウォーマーを貼り付けると、なんだか既製品のような仕上がりで大満足です。
昔から冷え対策は「三首を温める」のが基本といわれます。三首とは、首・手首・足首のこと。いちばん面積が広い首を温めるのは効果大です。
実際に冬の岩場に着ていったところ、羽織った瞬間に首元からポカポカしました。襟の上部からすこしはみ出るくらいの位置に付けたので、首回りがいっさい冷たいシェルに接触しません。逆に暖かすぎて、前ファスナーをはだけがちになりました。
岩場に持ち出した時の写真。ふさふさ感がわかります。
接着力が控えめなテープを利用しましたが、ふつうに着たり脱いだりするぶんにはネックウォーマーが剥がれることはありません。むしろ貼り直しをしやすいのは好都合です。首回りが汗じみてきたら、ネックウォーマーだけを剝ぎ取って洗濯すればよいのです。ダウンジャケット全体を洗濯する回数を減らすことができるでしょう。
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