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天狗原
夜明けに出発しました。
スノーシューの機動力を生かすつもりですが、気温が低い時間帯、しかも急登なので、まずはアイゼンを装着しました。
乗鞍岳
やや南寄りにルートミスした
大斜面の真ん中を登っていきました。が、最後の急登を避けてやや左に寄ったため、2456mピークの南側を巻くようなルート取りになりました。いわゆる三角形の二辺を歩いたため、すこし時間をロスしました。小蓮華山から白馬岳へと続く稜線を望むことができます。
視界が悪い時には迷いやすい地形とルート
乗鞍岳の広い山頂もそうですが、視界が悪い時には迷いやすい地形とルートです。
白馬大池側(北側)へ軌道修正すると、いったん白馬岳が見えなくなります。
乗鞍岳から白馬大池山荘へは、無雪期には2469mピークの西側の裾(と言うよりは、白馬大池のフチ)を歩きますが、この日は雪で埋まった白馬大池を横断するようにトレースがついていました。白馬大池山荘で左に折れて、船越ノ頭へ登っていきます。乗鞍岳から船越ノ頭に直登することも可能ですが、雪崩がこわい。
白馬大池山荘
白馬大池山荘は煙突と屋根の一部が露出していました。雪のブロックを積み上げたテント泊の跡が2箇所ありました。トレースはここで直角に折れて、雷鳥坂から船越ノ頭へと登っていきます。
気温が高くなってきました。また、しばらくはゆるやかな雪稜を登るので、スノーシューに履き替えました。
白馬大池山荘→小蓮華山
雷鳥坂
稜線近くになるとかなり急です。体力を節約するためトラバース気味に登ると、スノーシューがスリップしそうな箇所がありました。
ところどころ夏道が露出しています。
船越ノ頭
「船越の頭」に到着しました。ヤマケイオンラインの地図では何故か「船腰ノ頭」となっています。(※その後修正された模様)
葛藤
この時点でかなり疲労しています。
「小蓮華山まででもいいかな。もっと体力がついたら、また来て、白馬岳を往復しよう」
「おいおい。またっていつだよ。こんな好天のチャンスは二度とないかもしれない。いま頑張らなくて、いつ頑張るんだ」
と葛藤が始まりました。
小蓮華山
小蓮華山に到着しました。最低限のノルマ達成、といったところです。
葛藤は続いています。風が強い、とか、ガスってきた、とかネガティブな要素があれば、ここで折り返していたと思います。が、しかし、今日の一日は、晴天が約束されています。引き返す理由が見つかりません。
スノーシューをデポする
体力を節約するため、スノーシューをここにデポすることにしました。この先、三国境からの登りは急なので、アイゼンに履き替えました。
小蓮華山→白馬岳
自分で自分を騙す
三国境に到着しました。急傾斜の雪壁にトレースが見えます。
葛藤継続中。
「こんな中途半端な折り返し地点はないよな」
こうして、自分で自分を騙しながら先に進みました。
トレッキングポールをピッケルに持ち替える
出発からここまで、ずっとトレッキングポールを突いてきました。急な雪壁を登っている最中に不安を感じました。不安定な体勢のままザックをおろし、サイドに刺したピッケルと持ち替えました。
スケールの大きな「馬ノ背」
急登を登りきると、次のピークがドーム状に盛り上がっています。
地図上「馬ノ背」と呼ばれているのは、このピークの岩場のことでしょうか。通常「馬ノ背」と言うと、馬乗りの体勢で進みたくなるような痩せ尾根を想像しますが、ここは両側が切れ落ちているわけではありません。無雪期に通ったときの記憶も曖昧……というか、記憶に残るほどの印象がありません。
白馬岳にあっては、このたおやかな稜線全体をスケールの大きな「白き馬の背中」に見立てるほうがふさわしい気がします。
ピークを乗っ越すと、山頂は目前です。
雪庇
信州側に雪庇が張り出しています。視界が悪い時には要注意です。
白馬岳
山頂の標識
着いた~。頑張りました。頑張ってよかった。
記念撮影
晴れ晴れとした気分で、剣岳を背景に記念撮影しました。
展望
南東の剣岳方面。
北北西の雪倉岳、朝日岳方面。
北東の小蓮華山方面。
PETZLのGULLYと防寒テムレスも頑張ってくれました。
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