山と渓谷2015年1月号 オンライン読書メモ

別ブログで公開したことのある読書メモです。需要はないかもしれませんが、捨てるにしのびなく、ここに再公開します。

表紙

北鎌尾根側からの雪の槍ヶ岳。なんだか撮影位置が高い。独標の上から? それとも空撮?

YK FRONTIER CAMP 02「列島縦断7カ月、田中陽希さん『日本百名山ひと筆書き』に成功」

私は大学を卒業した年に、南九州と中国地方の山を2週間くらいかけて渡り歩く旅をしたことがあります。若いから旅先のささいな出来事が新鮮だし、現地の人も寛容に接してくれます。いまとなっては長期の休暇をとることが難しくなってしまいました。

【参考リンク】
日本百名山ひと筆書きホームページ
日本百名山ひと筆書きFacebook
日本百名山ひと筆書きTwitter

YK FRONTIER CAMP 03「環境問題と生きる希望を照射する台湾のドキュメンタリー映画『天空からの招待状』の魅力」

映画の紹介よりも、写真「台湾最高峰の玉山山頂に、先住民のハーモニーが響き渡る」に目を引き付けられました。先住民? 思わず「台湾原住民」について調べました。

YK FRONTIER GOODS 01「あなたの帰りを待っている人のために持つ、山のお守り」

日本山岳救助機構合同会社(JRO)「ヤマモリ(ヒトココ)」の紹介。スペック上はアバランチビーコンより優れていますが、当然ながら互換性はないため、普及するには時間がかかりそうです。スマートフォンのBluetoothを利用できないのかと思いますが、周波数の関係で厚い雪の層を通過できないそうです。

【参考リンク】
スマホが雪崩ビーコンの代わりになる可能性は…

プロが集う山の相談室「On The Edge 」#3-3「他者との関わり合い」

前の記事に続けて、偶然にもSPOT(Satellite Personal Tracker)に言及されています。山に通信手段を携行することには賛否両論があり、永遠の課題とも言えます。

【参考リンク】
SPOTのホームページ
米アマゾンの商品紹介ページ

特集「100人が選んだ名ルート100」

北海道9ルート、東北15ルート、関東11ルート、日本アルプス17ルート、中部19ルート、関西10ルート、中国・四国10ルート、九州9ルートが紹介されています。なにしろ1人1ルートですから、良く言えばバラエティ豊か、悪く言えば脈絡がありません。ハイキング的なルートのなかに忽然として、「谷川岳・一ノ倉沢烏帽子沢南陵」の冬季の写真が掲載されていたり、「北アルプスの最深部をえぐる幻の剣沢大滝登攀」が紹介されていたりします。雪山ファンは「加藤文太郎が愛した冬の氷ノ山」に注目でしょうか。

角幡唯介さんの言葉が印象深いです。

いくら剣沢大滝とはいえ、登攀ルートが確立されている以上、そこを登ったところで純粋な登山表現だとは到底言えない。手応えもあったし、人に自慢したいルートではあったが、やはり成瀬陽一さんが言っていた「究極の観光旅行」という表現がピッタリだと思ったのも確かである。

ガイドブック的な役割を果たさざるを得ない山岳雑誌にときどき登場するこの手の言葉を読むとなんだか嬉しくなります。

【参考リンク】
ホトケの顔も三度まで ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

「私を穂高に連れてって! ~釈由美子の奥穂高岳・山行劇場~」

「なにこれ。芸能人のプロモーションの一環なの?」と思いがちですが、読んでみると富士山や立山に家族で登ったことや、NHK BS1「実践!にっぽんの百名山」で司会を務めたことなど、山との関りが深いことがわかります。この取材記事でもご家族が同行されています。ずっと山に登り続けた人の言葉と同様、いったん山を離れたあと戻ってきた人の言葉には惹かれるものがあります。次のエピソードが微笑ましかったです。

これは毎回、私のなかではお約束になっているのですが、目的地を目前にすると、どういうわけかトイレに行きたくなる衝動に駆られてしまうのです。疲労の度合いに関係なく、突然ラストスパートのスイッチが入る催し。

2014年秋の取材ですが、そのとき同行されたお父様の追悼として2015年GWに涸沢に登られています。カモシカスポーツのダンプさんが同行されたそうです。なんと懐かしいお名前……。

【参考リンク】
本日も余裕しゃくしゃく Shaku Yumiko Official Blog
ヤマケイ新書「山の常識 釈問百答」(釈由美子著/山と渓谷社刊)

テーマで見つける山の本100

「黒田誠さんに聞くクライマーにすすめたい10冊」で「日本登山体系」について至言が飛び出します。

『日本登山体系』以外のガイドブックは必要ないと思っています。よい点は、情報が過剰でないこと。概念、概要がわかればそれでよいのです。

前出の角幡唯介さんの言葉と通じるものがあります。

海津正彦さんの「憧れと困難の海外登山」の10冊も硬派なラインナップ。これは読みたい。私は「ビヨンド・リスク」と「マッターホルン北壁」のみ既読です。

【参考リンク】
黒田山岳ガイド事務所
ブログ「道草航路

ルポ「雪山の朝」

冬季の権現岳東面。私が行きたいエリアの一つなので注目しました。ガイドブック的な要素は最小限。美しい写真と、書き手の感性やエピソードを主体とした文章。こういうイマジネーションを喚起する記事は好きです。

“黒部の山賊”の舞台に続く北アルプスの古道。「伊藤新道」の歴史、そしてこれから

特集でも紹介されている「定本 黒部の山賊 アルプスの旅」の著者・伊藤正一さん、そして伊藤新道についての記事です。山腹を真一文字に横断する伊藤新道。人間が切り開かないと絶対に出来ない道です。

山や岩や雪の世界で「開拓」という言葉は、ヒマラヤやアルパスにおける数百メートル単位のルート開拓から、ボルダー(岩コロ)における数メートル単位の課題開拓まで、いろいろな性質やスケールで利用されますが、「開拓」の本来の意味にはこうした山道の開拓がいちばん近い気がします。

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