最近「登山地図アプリ」について記事を書いたり、ベースプレートコンパスを新調したりしたので、100均のコンパスに目が留まりました。オモチャの域を出ないと高をくくっていましたが、実際に購入していじってみると、「なかなか使えそうだ」という印象に変わりました。
3製品がエントリー
ダイソー、キャンドゥ、セリアの商品が揃い踏みです。
ダイソーのコンパス
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キャンドゥのコンパス
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セリアのコンパス
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100均のコンパスの精度は?
磁針の向き
厳冬期の三千メートル級登山で通用するSUUNTO A-30と並べて比較して見ました。磁針の向きは問題ありません。3つともオイル入りなので、縦置きしたり、裏返したりしたあと、あまり暴れることなく速やかに磁北に落ち着きます。
ダイソーのコンパスの注意書き
店頭陳列時やご購入直後は、他の物の磁気や静電気の影響などで針が傾いていたり正確な方位を指さなくなっていたりする場合がございます。故障ではありませんので、ご購入後、鉄やマグネットなど磁気の影響の無い場所に水平にして、しばらく放置しておくと正常な状態に戻ります。
キャンドゥのコンパスの注意書き
寒冷期などの湿度の低い乾燥した季節は、静電気を帯びやすく磁針が正確な方向を指さず動かなくなることがあります。その場合はコンパス全面を水で濡らすことで放電し針は正確に動くようになります。
実際、キャンドゥのコンパスは揺らすと磁針とカプセルが当たる音が他の2つより大きく、磁針が傾きがちでした。「工作精度が低いのか。それとも個体差か」と思いましたが、しばらくいじっているうちに正常になりました。
その他
カプセルに封入されたオイルが「極寒地で滑らかさを保つか」「高山で気泡が発生しないか」はわかりません。
実地検証できたら追記します。
100均のコンパスの見分け方
3つとも似たデザイン、色使いです。黒い盤面の中心部には和文の方位(風水用)が描かれています。パッケージから出すと、どれがどれだか分からなくなります。見分け方と重量は以下の通りです。
販売元 | ダイソー | キャンドゥ | セリア |
見分け方 | 周囲のギザギザが大きい | ひと回り小さい | 磁針に蓄光剤が塗られている |
重量 | 17g | 12g | 18g |
選択の基準
もし3つの中から選ぶとしたら、どのコンパスがベストでしょうか。安価なので3つとも買って、使ってみるのがいちばんですが、選択の基準となりそうな要素をあげておきます。
ダイソーのコンパス
ダイソーのコンパスは周囲のギザギザが大きいため、滑りにくく、いちばん手に馴染みやすいと感じました。
キャンドゥのコンパス
キャンドゥのコンパスはいちばん軽量コンパクトです。小ぶりで、周囲のギザギザがないため、手から落としやすいかもしれません。わずか数グラムでも軽量化したい極限のミニマリスト向けです。まぁ、ミニマリストなら、ジッパーコンパスやサムコンパスのほうに惹かれるでしょうが……。
セリアのコンパス
セリアのコンパスは東西南北と磁北に蓄光剤が塗られており、暗い所で光ります。行き暮れた場面で使うことを想定するなら、これを選ぶと心強いでしょう。
まとめ
100均のコンパスであっても、低山ハイキングのお供にする程度なら問題ありません。無雪期の中級山岳でも通用するはず。厳冬期の三千メートル級登山に携行するのはムチャですが、もし機会があればザックの片隅に放り込んで、実地検証します。もちろんそのときは別に本格的な山岳用コンパスを持っていきますよ。
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