SUUNTOコンパスA-30を購入しました。本格的に使い始める前に開封の儀を記事にしておきます。
ベースプレート型のコンパスはすでに古いSILVA No.3を持っています。最新モデルを買うつもりでしたが、どうせなら他メーカーの製品を試してみることにしました。
SUUNTOのラインナップのなかでSILVA No.3に相当する安価なモデルです。
パッケージ
「輸入元 アメア スポーツ ジャパン」というシールが貼られています。
主要なスペック
サイズ | 57 x 114 x 10 mm / 2.24 x 4.49 x 0.39 “ |
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重量 | 32 g / 1.13 oz |
ベゼルの素材 | プラスチック |
動作温度 | -30℃~+60℃/-22°F~+140°F |
保管温度 | -30℃~+60℃/-22°F~+140°F |
同梱物 | Suunto A-30 NH Metric Compass、首ひも、クイックリリース、クイックガイド |
同梱物
同梱物は以下の通りです。
- コンパス本体(Suunto A-30 NH Metric Compass)
- 首ひも、クイックリリース(コンパスに取り付ける樹脂製パーツ)
- クイックガイド(SUUNTO BASEPLATE COMPASS USER GUIDE)
台紙
パッケージの台紙に貴重な情報が記載されています。
利用対象エリア=北半球
下部に貼られたシールに利用対象エリアの地図が掲載されています。
コンパスには北半球用と南半球用があります。磁針は磁極の地面方向に引き寄せられて傾く性質があるため、南北の重さを調整して水平を保つように設計されています。北半球用のコンパスを南半球で利用すると、磁針のS極側に大きく傾き、正確な方位を指すことができなくなります。
☞ Youtube動画「北半球製のコンパスを南半球で使うと」(約35秒)
型名の「NH」は「Northern Hemisphere」(北半球)を意味します。
メートル法
「METRIC」はプレートの外周に刻印されている目盛りが「メートル法」であることを意味します。
下位モデルのA-10は左辺がメートル法、右辺がインチ法になっています。
SUUNTO BASEPLATE COMPASS USER GUIDE
多国語表記のユーザーガイドが同梱されています。
公式サイトの日本語版「SUUNTO BASEPLATE COMPASSES ユーザーガイド」のほうが断然見やすいです。
SUUNTO A-30 コンパス本体の表と裏
円形のカプセル部分を分解するのは難しそうです。7箇所のツメを強引に外そうとすると折れるかもしれません。尖った器具などでこじ開けると、透明な表面を傷つけてしまいます。
SUUNTO A-30 の構造
ベースプレート型コンパスの基本構造
ベースプレート型コンパスの各部名称はメーカーによって異なります。SUUNTO社の日本語ガイドではこう記載されています。
①磁針 | 赤色の先端が北を指し示します。 |
②進行方向矢印 | 地図上の目的地や道中のランドマークの確認に使用します。 |
③目盛付きベースプレート | 地図上の計測や製図に使用します。 |
④方位目盛付きベゼル | 目的地の方角や角度を調べる分度器として使用します。 |
⑤回転式カプセル | 目的地の方向を指し示します。 |
⑥方位指標 | ベゼルから方位を数値で読み取るために使用します。 |
⑦方向線 | 地図上の経線とカプセルを合わせるために使用します。 |
⑧方向矢印 | 目的地の方向を見出すために使用します。 |
SUUNTO A-30の特徴(上半分)
5万分の1地図用縮尺目盛 | 数字がキロ数をあらわす。(2cm=1km) |
2万5千分の1地図用縮尺目盛 | 数字がキロ数をあらわす。(4cm=1km) |
センチ目盛 | 「山と高原地図」でときどき見かける2万分の1地図なら、5cmが1kmに相当する。 |
拡大レンズ | 細かい文字を読むばかりでなく、太陽の光を集めて火を起こすのに役立つかもしれない。 |
蛍光マーキング | 進行方向矢印の先端に丸い蛍光マーキングがある。 ☞「ルミネセンス機能」 |
コントロールマークの穴 | オリエンテーリングのチェックポイントを書き込むための △と〇の穴(テンプレート)がある。 |
SUUNTO A-30の特徴(下半分)
宝石軸受を使用した高級スチール磁針 | めのう、サファイア、ルビーのいずれかの宝石が使用されている。 ☞「宝石軸受」 |
北半球用に平衡調整 | 磁針のS極のほうが長く見える。 ☞「バランシング ゾーンについて理解する」 |
固定式偏角補正目盛 | 古いコンパスでは搭載しないことが多い。 ☞「偏角の補正について理解する」 |
安定した動作を実現する液体充填カプセル | オイルにより磁針が暴れにくい。 ☞「液体が充填されたカプセル」 |
蛍光マーキング | 磁針のN極、方向矢印の両脇に蛍光マーキングがある。 ☞「ルミネセンス機能」 |
首ひも取り付け用の穴 | - |
首ひもの組み立て
メーカー推奨の組み立て方法
- 赤いコード(反射材入り)と、黒い樹脂製パーツを利用します。
- コードの端を束ねて、ひと結びし、ループ状にします。
- 樹脂製パーツの内側にある突起にループを引っ掛けます。
- 樹脂製パーツの「C」をコンパスの穴にパチンとはめます。
樹脂製パーツはコンパスの穴にかなり固くはまります。素早く着脱するのは困難です。それともコードを着脱しろということでしょうか。どちらにしろ樹脂製のパーツが劣化して破損、脱落しないか不安です。
この点は公式のYoutube動画「How to attach a lanyard to a compass using quick release」のコメント欄でも指摘されています。「ゴミ箱に投げ捨てろ」という過激な意見がある一方、「首にコード類を巻き付ける場合いざというとき破断しやすいほうがいい」という意見があります。
お手軽な組み立て方法
事故回避より、紛失防止を優先するなら、カウヒッチで連結すれば十分です。
蛍光マーキングにより暗くても視認しやすい
蛍光マーキングが、
- 進行方向矢印
- 方位目盛付きベゼル
- 磁針のN極
- 方向矢印の両脇
にほどこされています。
磁針のN極と方向矢印がピタリと重なると割り算記号「÷」になるあたり芸が細かい。
まとめ
古いSILVA No.3(1980年代購入)が特に問題なく使えるので、わざわざ買い足す必要はないかと思っていましたが、こうして並べてみると目盛や文字の明瞭さが全然ちがうことに気づきます。
これをきっかけに地図とコンパスの使い方を再点検するつもりです。
コメント
SILVA No.3 懐かしいですね。私は壊してしまったので20年前くらいから suunto A-30 を
使っています。プレートの目盛線など最近のものはケガキ線ではなく印刷なので、以前のものより摩耗などにより消えやすくなっています。対策として梱包用厚手透明テープをプレートの裏側から貼っておくとアクリル樹脂そのままより傷に強く、10年以上保っています。
あと A-30のルーペは口径が大きいだけでなく倍率が高過ぎないのでルートが一望出来る範囲が広くて使い易いです。ルーペ部を目に近づけて使うのがコツです。
cycle-oyaji さん、こんにちは。
印刷の耐久性、気になります。梱包用厚手透明テープ、手軽に疑似コーティングできそうですね。
別記事で紙地図のコーティングについてコメントいただいたばかりで、スプレーや塗料系など色々試してみます。