昔はノルディカ2542という重厚な革製の登山靴を所有していました。当時の定番のひとつでした。高尾山日帰りハイキングから北アルプス積雪期縦走まで、どこにでも履いて出かけました。
いつだったか「山と渓谷」で、ガリビエールのスーパーガイド(これまた定番)への愛着を「履きならすと、ハイキングでも快適」と語っている記事を読み、なるほど登山靴とはそういうふうに履き倒すものなのか、と感心して倣ったものです。
その昔、上京して複数の就職説明会を掛け持ちし、浮かせた交通費を握りしめて(苦笑)、石井スポーツ神田店を訪れました。ノルディカ2542を購入し、以来、各店舗でお世話になっています。https://t.co/fthQqtZRwJ pic.twitter.com/JQLmsjfMns
— 神山オンライン (@kamiyama_online) January 29, 2020
固いビブラムソールは岩場の細かいエッジにも立ち込めるという触れ込みでした。ワンダーフォーゲルの部室の外壁でトラバースの練習をしては悦に入ったものです。
山から帰ると、保革油を指で温めながら、表面に塗り伸ばします。塗りすぎると型崩れするので、ごく薄く。室内で塗ると、異臭がなかなか抜けないので、窓を開け放したり、ベランダに出たりしました。冬の寒い日には手指が冷え切ります。が、そうして道具の手入れをする時間がまた、えもいわれぬ充実感をもたらしてくれたのです。
購入時に付属していた靴紐は赤い平紐でした。痛んでボロボロになっても使い続けました。いつ切れても交換できるように真新しい靴紐を持ち歩きました。すっかり登山靴の出番がなくなり、粗大ごみ予備軍と化したとき、やっと靴紐を交換しました。ついには一度も外で使うことなく、靴ごと断捨離したのです。
雪山登山を再開したとき、購入したのは……。
さらに本格的に……。
コメント
懐かしいノルデイカの登山靴の写真と記事を見つけて驚きと嬉しさで書いています。約45年前奥多摩付近を歩き始めた頃荻窪の登山ショップで見つけかっこ良さに一目惚れして大枚(2万?円)を叩いて購入、それから八ヶ岳、谷川、尾瀬、後立山の縦走、劔そして11月始めの槍が岳、厳冬季の八ヶ岳と活躍してくれました。底も2回程替えここ15年位は履いていませんが、保革油はしっかり塗ってしまっています。ありがとうございました。
松田様、コメントありがとうございます。ノルディカ2452、使用可能な状態でお持ちなのですね。うらやましいです。私はフリークライミングに傾倒した時期に「もう重い登山靴を履いた活動はしないだろう」と考えて、断捨離してしまいました。後悔しています。またいつか履いて出かけるときがくるといいですね。