何度目かの固形燃料のマイブームが訪れました。
新たなる着想を実験してみました。
謎の固形燃料ストーブ
アルミのキャップの上でEsbit(エスビット)の固形燃料を燃やします。
このキャップはキャンドウ(100均)で別の目的で買ったものです。
火の上にあるモノをかぶせます。
ヒダヒダの内側で固形燃料が燃えています。ん? なんだ、この物体は。
じゃじゃーん。正体はジェットボイルのクッカーです。底のフラックスリング(ヒートエクスチェンジャー)の内側で固形燃料が燃えています。
Esbitの4gタブレット1個で熱々……とまではいきませんが、300ml程度の熱いお湯を沸かすことが出来ました。
クッカーの底に茶色のタール状の物質がこびり付きました。
固形燃料とクッカーの底が近すぎて、不完全燃焼したようです。「あ~、貴重なチタニウム製のジェットボイルをダメにしてしまったか」と後悔したのですが、マジックリンを吹き付けて、数分後に水とスポンジで洗うと、きれいさっぱり落ちてくれました。
ダイソーの固形燃料を試す
ダイソーの固形燃料 25g×3個
ダイソーの固形燃料を買ってきました。25g×3個のパッケージです。
ダイソーの固形燃料の取扱説明書
パッケージ裏の取扱説明書には「吹き消し禁止」と記載されています。
固形燃料のクローズアップ
青色の固形燃料が透明のプラスチックで覆われて、さらにアルミ箔のカップに入っています。
ジェットボイルのクッカーとEsbitのウインドシールドを組み合わせる
通常モード
ダイソーの固形燃料をEsbitのウインドシールドに置く
ダイソーの固形燃料をそのままEsbitのウインドシールドに置きました。
ジェットボイルのクッカーをEsbitのウインドシールドに乗せる
ジェットボイルのクッカーをEsbitのウインドシールドに乗せます。ちょうど直径が同じくらいなので、ちょこんと乗せただけになります。
固形燃料が快調に燃焼する
固形燃料に着火すると、炎が高く上がって、快調に燃焼します。通常のクッカーより底が遠いですが、固形燃料のほうも高さがあるので、十分に届いてくれます。
ブーストモード
ダイソーの固形燃料のプラスチックのフィルムを剥く
ダイソーの固形燃料のプラスチックのフィルムを剥きます。
こうした固形燃料は一定の火力で燃え続けるように調整されています。表面積を増やすと火力が増大します。
剥き出しの固形燃料をアルミ箔の上にあける
剥き出しの固形燃料をプッチンプリンのように広げたアルミ箔の上にあけます。
剥き出しの固形燃料は激しく燃焼する
剥き出しの固形燃料は激しく燃焼します。煙突効果が働いて、より高い効率で燃焼しているように見えます。まるでガスカートリッジを装着しているかのように、短時間でシュゴォ~ッとお湯が沸きました。
「ブーストモード」は、風が吹いている屋外で手早くお湯を沸かしたい場合に有効です。
通常のポットだと炎が大きすぎる
Esbitのポットで同じことをしてみました。ポットの底までの距離が近いため、ウインドシールドの横穴から火が噴き出します。これは燃料の無駄遣いになりますし、噴き出した火がハンドルのプラスチックを溶かしかねません。通常の平底のポットでは固形燃料を細工せずに通常モードで燃やしたほうがよさそうです。
ジェットボイルのクッカーにEsbitのウインドシールドを収納できる
ジェットボイルのクッカーにEsbitのウインドシールドを収納できます。
もちろん、カップラーメンのリフィルや固形燃料、ライターも収納できます。
ジェットボイルのクッカーとtrangiaのウインドシールドを組み合わせる
trangiaのアルコールバーナー用のゴトク
ジェットボイルのクッカーとEsbitのウインドシールドの組み合わせだと、ちょこんと乗せただけですし、重心が高くて不安定なので、こんな組み合わせを試しました。
本来はtrangiaのアルコールバーナー用のゴトクです。
ジェットボイルのクッカーがぴったりと嵌まる
ジェットボイルのクッカーがぴったりと嵌まります。
持ち上げても脱落しない
持ち上げても脱落しません。
ジェットボイルとtrangiaのコラボレーション
クッカーの底がちょうどゴトクの上端くらいの高さになります。ヒートエクスチェンジャーが火を閉じ込めてくれるので、横から噴き出すことはありません。
ボコボコ煮立ちましたが、熱くなっているので素手では分離できません。大きな横穴があいているわけではないので、火を吹き消すこともできません。慌てて、そのへんにあったタオルを手袋代わりにしてゴトクを押さえ、ジェットボイルのクッカーを分離し、火を吹き消しました。
今一つ運用しづらい
ゴトクの安定感は素晴らしいですが、熱くなると素手で分離できないのは盲点でした。また、固形燃料に再着火しようとすると、横穴がないのでライターの火であぶりにくい。固形燃料の高さが低くなり、さらには表面のアルコールが飛んでいるため、よけい着火しづらいです。
チャッカマンのように火口が長いライターなら着火しやすいですが、標高の高い場所では電子式ライターは着火しない可能性が高いのが難点です。
ゴトクの重量については、
- Esbitのウインドシールド=56g(実測)
- trangiaのウインドシールド=52g(実測)
とほぼ変わらず、軽量化のメリットはありません。上部が広がった形状のため、ジェットボイルのクッカーに収納することはできません。まぁ、ジェットボイル同梱のプラスチックカップの代わりに付けっぱなしにして、内側の空洞にモノを詰め込んでもいいんですけどね。
うーむ。いいアイデアだと思ったのですが、今一つ運用しづらい気がします。
固形燃料の再利用
固形燃料の再利用について触れておきます。
再利用とは言っても、燃えカスを再利用する話ではありません。固形燃料はいったん火を付けたら燃え尽きるまで待つのが基本ですが、ちょっと使っただけで余った燃料をただ燃やし尽くすのはもったいない。特に単独行では、大量のお湯をいっぺんに沸かすのではなく、300ml前後のお湯を数回に分けて沸かすことが多いため、途中で吹き消す場面が増えるでしょう。
300ml程度のお湯を沸かして吹き消す
「ブーストモード」で300ml程度のお湯を沸かして、吹き消しました。淡雪状の外観になります。まだほんの少ししか消費していないように見えますが、実際にはアルコール分が先行して蒸発し燃焼するため、火力の残量は見た目より少ないと思ったほうがよいでしょう。
燃え尽きると焦げ茶色のカスが残る
固形燃料が燃え尽きると焦げ茶色のカスが残ります。
ジェットボイルのように熱効率の良いクッカーであれば、固形燃料25gで300ml前後の熱湯を余裕で2回沸かすことができます。室内で無風なら3回沸かすことができます。フリーズドライ食品が中心なら、おおよそ1回分の食事をまかなうことができるでしょう。
途中で吹き消しても、短時間であれば、アルコールが蒸散し切ってしまうことはありません。夕食で使った余りを翌日の朝食で使うような場合は、アルミ製のチャック付き袋などに保管するといった工夫が必要です。
試行錯誤は続く
ジェットボイルを持たないけれど、固形燃料と組み合わせて使ってみたいという人は、いちばん安いZIPを買ってみてはいかがでしょうか。最悪、ジェットボイルとして使えます。
JETBOIL ZIP(ジップ)
素直にヒートエクスチェンジャーを搭載したEsbitの985H-EXクックセットを買うという手もあります。アルコールバーナーも付いてますしね。
あるいは、ジェットボイルのクッカーに適合するウインドシールドを自作するか……。
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