Naturehikeのダウンパンツ、ぶっちゃけ登山で通用するの? 雪山テント泊など厳しい条件で使うなら、目先の安価さに惑わされずNangaを選択することをおすすめします。もっとゆるい条件で、コストパフォーマンスを重視するなら、もちろんNaturehikeのダウンパンツも悪い選択ではありません。
以下、詳細な写真をまじえてレビューします。購入を検討中の方はご参考になさってください。
Naturehikeのダウンパンツ 開封の儀
Amazonで注文し、2日後に受け取りました。包装を解くと、こんな感じで商品が入っています。
スタッフバッグの表記
スタッフバッグの底には「Naturehike GOOSDOWN 800FP L」(LはLサイズの意)と記載されています。ダウン(羽毛)の膨らむ力をあらわす「800FP」という数字、はたして本当でしょうか。
品質表示
仕様
付属の紙タグには、封入された羽毛の重量は「88g」と記載されています。
YKK製ファスナーとダウンのサンプル
フロントファスナーは信頼のYKK製。これ大事。安手な商品で最初に壊れやすいのがファスナーです。透明なパックにダウンらしき中綿のサンプルが入っています。うーむ、これは本物でしょうか。
腰回り
腰回りの作りはいたって普通です。フロントファスナーは男性陣には必須。スナップボタンで留めて、ドローコードで腰回りのサイズを調整します。
洗濯タグ
腰の後ろのタグに国別サイズや洗濯の仕方が記載されています。
ENってどこ?(たぶんイギリス) DE(ドイツ)やFR(フランス)やRU(ロシア)がアジア圏と同じ「L」なのは不可解です。
裾
裾に調整用のドローコードやベルクロの類はありません。
また、ポケットの類はありません。
Nangaのダウンパンツと比較
実はすでにNangaのダウンパンツを所有しています。2012年9月に10,381円 (税別)で購入しました。仕様は以下の通りです。
- 表生地:15dnナイロンリップシレ撥水加工
- 裏生地:20dnナイロンタフタシレ撥水加工
- 羽毛:STDホワイトダックダウン80-20%
- 羽毛量:50g
- 平均重量:約215g
- 収納サイズ:直径8×20cm
- フィルパワー:650FP
- 付属品:収納袋
- 右側お尻部ポケット付き
- ナンガ織ネーム付き
- 生産国:日本(MADE IN MAIBARA)
- 適応サイズ(単位/cm):S(ウエスト73cm、股下72cm)、M(ウエスト77cm、股下74cm)、L(ウエスト81cm、股下76cm)、XL(ウエスト85cm、股下78cm)
もっと厚手のダウンパンツが欲しいな~と漠然と思っていたとき、AmazonでNaturehikeの格安ダウンパンツを見かけて衝動買いした次第です。
いざ商品が届いて、重量を比較したらほぼ同じだったので愕然としました。これは完全に自分のミス。ちゃんと調べてから注文すべきでした。
ちょうど良い機会ですから、登山用のダウン製品で定評のあるNangaのダウンパンツと、格安アウトドア用品で台頭するNaturehikeのダウンパンツを比較してみましょう。
サイズ感、ボリューム感はほぼ同じ
Amazonのレビューでは「丈が短い」という指摘が見受けられます。ロットによる差があるかもしれません。私の手元に届いた商品をNanga(同じLサイズ)と比較すると、ほぼ同じサイズ感、ボリューム感。若干、丈が短いのは確かです。
表生地がやや厚い
表生地はNangaと同じ20デニールとされていますが、やや厚手に感じます。光沢が抑えられて、やや硬めの触感だからでしょうか。
伸縮性が劣る
無造作に足を通して体育座りすると、Naturehikeのダウンパンツは裾から下のトレッキングパンツの裾がはみ出すことが多いです。平置きしたときのサイズ感はほぼ同じですが、伸縮性が劣っているためこうなるようです。「丈が短い」という指摘はここから来るのでしょう。
重量、収納性はほぼ同じ
スタッフバッグに収納した状態を比較してみました。Naturehikeのダウンパンツの袋は大きめ(11g)でゆったり。Nangaのダウンパンツの袋は小さめ(9g)できつきつに押し込む必要があります。
本体の重量 | 袋の重量 | 全重量 | |
---|---|---|---|
Nangaのダウンパンツ | 205g | 9g | 214g |
Naturehikeのダウンパンツ | 224g | 11g | 235g |
試しにNaturehikeのダウンパンツをNangaの袋に詰めてみたところ、やや窮屈ながらも押し込むことができました。そもそも若干重いですから当然と言えば当然です。
収納性の高さ(高品質なダウンは使用時は大きく膨らみ、収納時はコンパクトになる)は同等と言ってよさそうです。
しかし、私個人の体感では外観や数字だけでは割り切れない差を感じます。
私個人の体感
Nangaの羽毛は650フィルパワー×50g。Naturehikeの羽毛は800フィルパワー×88g。
数字のうえではNaturehikeのダウンパンツほうが保温性に優れているはずですが、私個人の体感ではNangaのダウンパンツほうが暖かい。羽毛特有の「体温を速やかに蓄えて膨らむ」感覚があります。
もしかすると表生地の伸縮性の差が、羽毛の膨らみ方に影響しているのかもしれません。
どちらを雪山テント泊に携行するか? やはり私はNangaのダウンパンツを持って行きます。
Naturehikeのダウンパンツ 着こなし
室内着
「ちょっと風邪気味かな」と感じた夜、まるで雪山テント泊のようにダウンジャケット、ダウンパンツ、ダウンブーツの完全武装で過ごしたところ、一晩で体調がよくなりました。
免疫細胞が正常に働ける体温は36.5℃。そこから体温が1℃上がると最大5倍~6倍も免疫力が上がり、逆に1℃下がると免疫力が30%下がるといわれています。病気になったときに発熱するのは、体が体温を上昇させることで免疫細胞を活性化させ、病気と戦う力を上げようとしているからです。
☞ 平熱とは?何度からが発熱?免疫とも関係の深い”体温の基本”を徹底解説
公共交通機関
電車でボルダリングに出かけるとき、トレッキングパンツの上に重ね着しました、の図です。
冬場、暖房があまり効いていない公共交通機関に長時間揺られるとき、活動前から体力を消耗せずにすみます。
わずか200g強のウェアなので持ち運ぶのが苦になりません。
Naturehikeのダウンパンツ まとめ
雪山テント泊の就寝時に着こむことを想定して購入しましたが、今のところその目的では出番がありません。
下半身の保温性を増強するために、両方持って行って重ね履きすれば活用できるかも……。試しに重ね着してみたところ、内側のダウンパンツが圧迫されて膨らみが悪く、効果をあまり感じませんでした。重ね着を前提とするなら、上に着るのはワンサイズ大きめにしたほうが良いです。
冬の高山帯など厳しい活動にステップアップする見込みがあるなら、目先の安価さに惑わされずNangaのダウンパンツを選択することをおすすめします。オートキャンプ等、分厚いシュラフや防寒具を持ち込みやすい活動なら、コストパフォーマンスを重視してNaturehikeのダウンパンツを選択するのも悪くありません。
もっと暖かいダウンパンツが欲しければ、Mobi Gardenの製品をご検討あれ。
ダウンブーツもセットで。
コメント