別ブログで公開したことのある読書メモです。需要はないかもしれませんが、捨てるにしのびなく、ここに再公開します。
本号は偶然なのか捜索システムについての記事が多数あります。
- 光の回廊 カラコラムⅡ 佐藤幸三
- YAMA-KEI JOURNAL HEAD NEWS
- インタビュー 私がひとりで登る理由
- 計画と装備
- 冒険家・田中幹也さん 経験から得た道具感
- 単独行者の強いミカタ 最新救助要請システム
- 私が単独行を選ぶ理由 町田有恒さん
- トランスジャパン アルプスレース 究極のソロ登山者に学ぶ
- 遭難者早期発見をめざす小型デバイス「トレックトラック」
- Yamakei Journal Top News 複数の図鑑を横断検索 図鑑読み放題サービス「図鑑.jp」
- Yamakei Journal Accident 携帯・スマホ活用して遭難捜索、総務省・ソフトバンクが公開実験
- アウトドア道具専門の買い取り販売店に行ってみよう!
光の回廊 カラコラムⅡ 佐藤幸三
いつもは「荘厳だなぁ」とありきたりな感想を思い浮かべながら、さらりとページを繰ってしまう写真たち。たまたま美しい瞬間をとらえるのではなく、構想にあてはまる時と場所を追い求めるのだと知り、目から鱗が落ちました。
守りにならず、簡単には撮れない「完成図」を頭に描く。私の理想とするその画には、CGを駆使しないと不可能なことも描き込む。
YAMA-KEI JOURNAL HEAD NEWS
積丹岳事故の裁判について思うこと
若手冒険家のチャレンジを応援。谷口けい冒険基金が設立
インタビュー 私がひとりで登る理由
印象に残った言葉を引用させていただきます。
大西良治さん
モチベーションと技術が大西さんに匹敵するような人がいたら、一緒に登りますか? と聞くと、「それでもひとりで登ります」と即答した。
栗秋正寿さん
現地のレンジャーによれば、冬に登りに来るパーティは、仲違いを起こしてしまうことが非常に多いというのだ。雪洞などの閉鎖的な空間で顔を突き合わせ続けるストレスに耐えられなくなってしまうのではないかと栗秋さんは説明する。
読みました。冬季マッキンリー単独登頂のページには、雪山縦走派にとって参考になるノウハウが沢山あります。リヤカーを引いてアラスカを徒歩旅行する「水平の旅」が予想以上に面白かったです。
打田鍈一さん
単独行に向いていない人は登山自体に向いていないんじゃないでしょうか。
計画と装備
単独行の計画術(笹倉孝昭さん)
加藤文太郎の計画の立て方を「PDCAサイクル」(計画→実行→評価→改善)になぞらえた分析がユニークです。
笹倉孝昭さんのブログ「GO OUTSIDE」
装備選びケーススタディ
CASE 1 高橋庄太郎さんの装備
スマホの替え電池(純正品)を1日につき1個を目安として持つそうです。互換品の電池は当たり外れが大きく、公称値ほどもたないことが多いですからね。
CASE 2 高橋英摩さんの装備
トレイルランニングのレースに出場するくらい体力のある方(女性)で、柔和な外見からは想像しにくいウルトラライト系の装備です。「友人と歩くとスピードが違い過ぎて互いにつまらないため、違うコースを歩き山頂やテント場で合流」というスタイルがユニークです。
CASE 3 伊藤岳彦さんの装備
ヘッドランプを2個持つのがユニークです。高橋庄太郎さんもヘッドランプの予備を持つことがあるそうです。
たまたまこのお三方がそうなのかもしれませんが、男性2人はヘッドランプを2つ、ゲイター(雨天用らしいショートタイプ)を携行するところが面白いです。トレイルランナーはローカットのシューズを履くため、中が濡れるのは当たり前なので、ゲイターを持つ発想がないのかもしれません。
冒険家・田中幹也さん 経験から得た道具感
八甲田山のなだらかな雪稜にポツンとテントが設営されている写真が美しい。
極力快適に過ごすために雪洞でもツエルトでもなくテントである。薄手の銀マットに厚手の全身用ロールマットを併用する。
やはり銀マットとリッジレストのゴールデンコンビでしょうか。
単独行者の強いミカタ 最新救助要請システム
遭難発生通知システム
捜索システム
1日あたり、わずか10円!
ヘリ出動費も無料※
(※1事案につき3回まで)
GPSでもビーコンでもない日本で生まれた、全く新しい遭難対策機器。
- 寸法:60mm x 40mm x 12mm
- 重量:20g
- 防水性能:日常生活防水
- 連続待機時間(フル充電後): 3ヶ月
私が単独行を選ぶ理由 町田有恒さん
本州の水脈を太平洋と日本海に分ける中央分水嶺、全長2700kmを踏破。日本海側から太平洋側へ(またはその逆)はよく見かけますが、このラインどりはコロンブスの卵ではないでしょうか。ヘッドランプは予備も入れて2個用意するとのこと。ここにもヘッドランプ2個派が!
トランスジャパン アルプスレース 究極のソロ登山者に学ぶ
参加者の装備を分析した記事が興味深いです。
レインウェア
モンベル製品が圧勝。トレントフライヤー上下、ストームクルーザー上下、バーサライトパンツなど。次点のfinetrack製品エバーブレスフォトン上下は伸縮性が良い点が評価されているのでしょうか。
ヘルメット
ペツルのシロッコが圧勝です。
ツエルト
全選手がストックを携行しているので、ストックを支柱とするストックシェルターの比率が高いです。一般の登山で簡易テントとして利用するには通気性や居住性の面で敷居が高い。ツエルトとして利用しやすいように底をファスナーで開放できるようにすればもっと普及しそうです。
シュラフカバー、シュラフなど
エスケイプビビィの圧勝。トレイルランニング特有の条件(汗だくになったり乾いたりを繰り返し、短時間睡眠なので、一般のテント泊のような快適性をはなから求めない)にマッチしているからでしょう。
ケア 故障の兆候を見逃さない
休憩時にシューズやソックスを脱いで足を乾燥させると良いらしいです。登山でも長めの休憩をとるときにはそうしたほうが良いかもしれません。
【参考】トランスジャパン アルプスレースについて
- 大会概要 競技ルール
“大会本部では、継続的に蓄積されていくデータによって選手の行動を管理しているので、携帯圏内、圏外、睡眠中に関わらず常にGPSトラッキング端末の電源を入れておくこと。”
遠隔地からリアルタイムで見守る目的にはこれが決定版でしょう。 - 山と渓谷2月号に掲載されました
“ソースは実行委員会より発売された報告書と思われますが、その鋭い分析・考察がさすが「山と渓谷社」です。” - TJAR2016報告書 在庫あります
遭難者早期発見をめざす小型デバイス「トレックトラック」
博報堂アイ・スタジオが開発中の位置情報収集システムの記事です。最大半径10kmの範囲で位置情報が確認できるとのこと。
オフライン中も子機に位置情報が蓄積されるような描写があります。オンラインになったときにサーバにまとめて送信されるのでょうか。親機自身はサーバとどのように通信しているのでしょうか。山と渓谷の記事には「基本的に5分もあれば設置が可能」とあるので無線通信だと思いますが、携帯電話の電波網を使っているのでしょうか。技術面で気になる点が多いのですが、そのあたりの仕組みを説明したページを見つけられませんでした。
Yamakei Journal Top News 複数の図鑑を横断検索 図鑑読み放題サービス「図鑑.jp」
この手の図鑑はすでにある程度の知識がある人向けの作りになっています。知らない植物や鳥を撮影すると、画像解析して調べてくれるようなアプリがほしいところです。
「Google Lens」が汎用的に利用できます。
Yamakei Journal Accident 携帯・スマホ活用して遭難捜索、総務省・ソフトバンクが公開実験
携帯電話の電波をオフラインエリアに届けるため、気球やドローンを中継局とする位置情報システム。深さ3.5mの雪の中に埋めた端末でも位置を特定できるとのこと。
係留気球無線中継システムを活用した「遭難者位置特定に関する調査検討の請負」について
アウトドア道具専門の買い取り販売店に行ってみよう!
いろいろ買って試すが、常用にいたらず押し入れの奥で眠らせることが多いギアマニアには注目です。
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