表銀座~槍ヶ岳縦走に行ってきました。
日本の登山愛好家1000万人のうち、
- 東京在住
- SUICAを所持している
- 北アルプスの燕岳に出かける
という条件に当てはまる人はどれくらいいるでしょうか。50万人?
鉄道に詳しい人にとってはごく初歩的な知識ですが、ちょっとお得な豆知識を書いておきます。
松本駅は2014年4月1日からSUICA対応駅となった
私は自宅の最寄り駅でSUICAを利用して改札を通過しました。
普通列車で松本駅まで行き、大糸線に乗り換えます。
松本駅が2014年4月1日からSUICA対応駅となったことは知っていました。精算所でSUICAを提示し、「大糸線の穂高駅までの切符を買えますか」ときいたところ、「ここでは切符を発行できないんですが、ちょっとお待ちください」とお兄さんが手元のタブレットで何やら調べています。そして、「いったんSUICAで改札を出て、穂高駅までの切符を買ったほうが少し安くなります」と教えてくれました。
あっ、そうか。大糸線は地方交通線でした。
幹線区間でいったん精算し、地方交通線の切符を別に買ったほうがお得になる
幹線(たとえば新宿駅→松本駅)と地方交通線(松本駅→穂高駅)を連続して乗車すると、割高な運賃が適用されます。ざっくり言うと、コスト高な地方交通線の賃率に引っ張り上げられて、結果的に全体の運賃が割高になる計算ルールになっています。
新宿駅から大糸線の穂高駅まで乗る場合
連続乗車すると、新宿駅→穂高駅=4,430円
分割乗車すると、新宿駅→松本駅=3,996円、松本駅→穂高駅=320円、合計4,316円
というぐあいに、少しお得です。
新宿駅から大糸線の白馬駅まで乗る場合
連続乗車すると、新宿駅→白馬駅=5,400円
分割乗車すると、新宿駅→松本駅=3,996円、松本駅→白馬駅=1,140円、合計5,136円
というぐあいに、ぐっとお得です。
通常、公共交通機関は長い区間を連続して乗車するほど、割安になります。途中下車すると、割高になります。しかし、幹線から地方交通線に乗り換えるような場合は、あえて境界駅で途中下車したほうが安くなるというわけです。
SUICAの注意点
新宿から松本までSUICAで乗車する例を書きましたが、注意すべき点があります。
振替輸送の対象とならない
乗車した時点で行先が決まっておらず、鉄道会社と輸送契約が成立していないため、振替輸送の恩恵を受けられません。☞ ご利用の際のご注意 – JR東日本
列車が運行不能になった場合、Suicaでの他鉄道会社への振替輸送はご利用いただけません。ただし、「Suica定期券」で定期券区間内をご利用になる場合のみ、振替輸送のお取扱いをいたします。
テント泊単独行者なら臨機応変に行動できます(登る山域を変更することさえできます)が、宿を予約しているとか、仲間と合流するとか、大切な用事が控えている場合には困ります。
この点が気になるなら、面倒でも紙の切符を購入しましょう。
SUICAによる金額面のメリットは極小
新宿-松本間の乗車料金はSUICAだと3,996円、紙の切符だと4,000円です。その差わずか4円。金額面のメリットは極小です。
松本駅で途中下車して、何する?
下山後、肉や野菜をむしょうに食べたくなります。駅前のマクドナルドや松屋でもいいですが、最近は駅ビルの和食屋さんで野菜炒め定食を食べるのが定番になっています。そのあとは同じく駅ビルの改造社書店で電車のなかで読む本(たいてい山岳書)を買います。よほど時間が余っていたら、ICI石井スポーツ松本店まで足を伸ばしてもいいかもしれません。NEW DAYSにエキナカフェが置かれているので、サーモマグに熱いコーヒーを補給するのも忘れずに。
結論
東京方面から大糸線までJRを利用する場合、自宅の最寄り駅からSUICAで入り、松本駅でいったん改札を出て、大糸線の切符を別に買いましょう。
もちろん速度優先で直通の特急列車を使うなら話は別ですよ。
コメント
はじめまして。こんにちは。
先日、信濃大町から東京都区内まで乗ってきました。松本で一泊するので途中下車です。
私が不安に思うのは、スイカだと「振替輸送の対象にならない」ということです。滅多にないことでしょうが、紙の切符を購入して、乗車の権利を確定しておきたい気がします。
CAO様、コメントありがとうございます。
SUICAだと「乗車した時点で行先が決まっていないので、鉄道会社は輸送契約を履行する義務がない(輸送契約がそもそも成立していない)」ということですね。テント泊だと交通機関が混乱したら予定を変更しやすいですが、宿を予約していたり、大切な用事が控えていると焦りますよね。