サーマレストのポンプサックを自作する

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サーマレスト「ネオエアー XサーモNXT」を購入しました。

山岳用マットレスの新次元、サーマレスト「ネオエアー XサーモNXT」レビュー
2023年春夏シーズンに登場したサーマレストの「ネオエアー XサーモNXT」が山岳用マットレスの新次元を切り開きました。これまではダウンマットと重量面、断熱/保温性能で拮抗していましたが、この新モデルによって頭ひとつ抜きん出ました。 重量は...

マットレス自体の性能には満足しています。

が、標準で付属するポンプサックには不満を禁じえません。エクスペドのダウンマットはポンプサックから2~3回空気を送り込めばパンパンに膨らますことができました。ネオエアでは10回かかります。

そういえば、エクスペドのダウンマットに標準付属のポンプサックはたまたま劣化していたのか空気漏れしており、当初は6回かかりました。別売のポンプサックを購入すると、劇的に改善しました。ポンプサックの空気漏れは想像以上に効率に影響すると学習しました。

ポンプサックは生ものです
極薄のナイロン地、極薄のコーティング、極薄のシームシーリングと切り詰めた設計となっているため、ポリウレタンの劣化にともない気密性を失いやすいです。マットレスとポンプサックを早いサイクルで使い倒すのが賢いと考えるようになりました。

そこでAmazonで「ブロッカーライトポンプサック」を購入したところ……。

バルブにしっかり嵌まらず使い物になりませんでした。返品しました。

ユーザーレビューを読むと、同じ評価をしている人が目につきます。生産国によって品質がちがう、米国製でないとダメだ、とする意見もあります。

もう一回、取り寄せて試す気が起こりません。

標準付属のポンプサックは手抜き? 別売品は品質に問題あり? サーマレストさん、この状況を何とかしてもらえませんか。

いっそのこと、標準付属のポンプサックをシームシーリングしてしまえ!

アライテントの「ライズ1」や「SLドーム」に付属していた目止め液を塗ってみました。

縫い目の生地が小さなデコボコになっており、目止め液がうまく奥に入りにくいです。三度塗りして万全を期しました。

さて、マットレスを膨らませてみたところ……。

7回くらいでパンパンに膨らむようになりました。はっきりと目止めの効果が出ました。

一般的なポンプサックは内側がコーティングされていますが、このポンプサックは単なるポリエステル100%の生地で通気性があります。これ以上の性能向上は望めないでしょう。

そこで次なる対策を考えました。

バルブの直径は手前が23㎜くらい、奥が25㎜くらいです。

まず、内径25㎜のシリコンチューブをAmazonでポチりました。

利用する材料はシリコンチューブに限りません。家庭用のホース等でも内径が適合すれば利用できます。内径25㎜という規格はありふれているので、近所のホームセンターで安価な商品が見つかるかもしれません。

「ネオエアー XサーモNXT」のバルブにぴったり嵌まります。

次にポリ袋を用意しました。公平を期すため?標準のポンプサックと同じくらいの30㍑サイズです。

ポリ袋に手を入れて、指を角に突き立てて、穴をあけます。穴があきにくければ、ハサミで角を切り落とします。

シリコンチューブは3㌢くらいの長さに切っておきます。そこにポリ袋の穴の部分をとおします。

ポリ袋の穴を折り返して、シリコンチューブにかぶせます。輪ゴムか何かで留めても良いでしょう。

こうして即席のポンプサックが完成しました。

マットレスのバルブに嵌めます。

標準のポンプサックはバルブを接続するのに強い力を要します。この自作ポンプサックは軽い力で嵌まります。

空気を送り込んでみました。5回でパンパンに膨らみました。標準付属のポンプサックを凌駕する性能です。

重量は標準付属のポンプサックが実測で53g、自作のポンプサックが20g。

軽量化の恩恵は少ないものの、早く膨らむのは誰にとってもメリットです。

風雪のなかテントを設営し、すこしでも早くマットレスのうえでくつろぎたいとき、わずかな省力化が心身の消耗を軽減してくれます。


今回使用した内径25㎜のシリコンチューブだと、バルブの外径とぴったりすぎて、すこし密閉が甘い感じがします。チューブの内側にテープを巻くなどして調整すると良いでしょう。

チューブには細工せず、やや厚手のポリ袋(厚さ0.025㎜で容量45㍑)に替えたところ、空気を押し込むときの抵抗感が増し、2回でほぼ満タンになりました。

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