唯一無二の耐水防水ノート「ライフ アウトドアノート B6」を登山で使う

山行ノートの理想形のひとつ

ライフ アウトドアノート B6

「ライフ アウトドアノート B6」(LIFE OUTDOOR NOTEBOOK)は、山行ノートの理想形のひとつです。

私が山行ノートに求める条件

  •  耐水紙(ユポ紙)
    風雨雪のなかで筆記することがあるので、水濡れに強く、丈夫であってほしい。このノートは“水に強く、水に濡れても書いた文字が消えたり、紙が破れたりしません”。素手で引き裂くことができないほど丈夫です。
  • 無地
    自由に書ける無地が好みです。耐水紙のノートはほかのメーカーからも発売されていますが、中紙の両面とも無地なのはライフ(LIFE)社の商品だけです。表紙以外はすべて白一色です。
  • リングノート
    ザックの雨蓋の上に押しつけたり、手のひらや膝の上など狭い場所で筆記することが多いので、コンパクトに折りたためてコシがあるほうが良い。
  • B6サイズ
    ザックの雨蓋に出し入れしやすいコンパクトさで、かつ、大きめの文字で書きなぐることを許容する絶妙のサイズです。ひと回り大きいA5サイズも悪くないですが、雨蓋が小さめだったり、他のモノで満員御礼だったりすると、やや窮屈です。

これらの条件を満たすのが「ライフ アウトドアノート B6」です。

30年以上、デザインを変えることなく製造販売

初めて購入したのは1980年代前半。30年以上、デザインを変えることなく製造販売されています。

「何も足さない。何も引かない」……。どこかで聞いたキャッチコピーを贈りたくなります。

ダブルリングノートの宿命

「ライフ アウトドアノート B6」をとても気に入っていますが、ひとつだけ悩ましい点があります。

当然のことながら、ルーズリーフのように中紙を自由に差し替えることができません。

中紙は40枚ありますから、よほどの文章家か、長期の山行でない限り、1回で使い切れないでしょう。数回、いや下手すると1年分の山行で使い回すはめになります。

前回の山行で書いたページはその都度取り外したい。逆に言えば、1回の山行で必要なページ数だけ持ち運びたい。

そこで「ライフ アウトドアノート B6」をこねくり回しながら、ルーズリーフバインダー風に使う裏技(というほどでもないか)を考案しました。

ダブルリングノートから取り外す

最後のページ」と「裏表紙」のあいだに噛み合せが存在する

ダブルリングノートは「最後のページ」と「裏表紙」のあいだに噛み合せが存在します。噛み合せの隙間は緊密ですが、慎重にやれば紙を引き抜くことができます。

裏表紙を取り外す

裏表紙を隙間から引き抜く

上端のコマを外し、縦方向にじわじわと裏表紙を引き抜きます。

「ライフ アウトドアノート B6」の裏表紙は硬めで丈夫なのでわりとすんなり取り外すことができます。

リングの噛み合わせを無理に広げると、元に戻そうとしても先端がきれいに揃ってくれません。最小限の力で広げる必要があります。

表紙と中紙を取り外す

表紙と、筆記済みの中紙を360度回転させて、引き抜く

表紙と、筆記済みの中紙を360度回転させて、裏表紙と同様に取り外します。

表紙も中紙も丈夫なので、穴が裂けることはありません。1枚ずつだと面倒なので、数枚まとめて取り外しましょう。

ダブルリングを再利用しないのであれば、「リヒトラブ リングノート用リムーバー」のような道具でバッサリ解体すればいいんですけどね。

ダブルリングノートに戻す

取り外すのは比較的簡単ですが、元に戻すのが核心です。柔らかめの表紙が特に大変です。

正面から一発で差し込むのは難しい

正面から差し込むのは難しい

リングの噛み合わせは多少デコボコになっているので、正面から一発で差し込むのは難しいです。

リングの端からスライドさせて挿入すると良い

リングの端からスライドして挿入する

リングの端からスライドして挿入します。

リングの奥底に押し付けながらスライドする

リングの奥底に押し付けながらスライドします。(裏から見たところ)

  1. 柔らかめの表紙は、裏表紙と重ね合わせていっしょに挿入するとよいです。
  2. 穴がリングに引っかからないように、リングの底に押し付けながらスライドさせるのがコツです。
  3. 全部スライドさせ終わったら、手前に引いて、リングを穴に嵌めこみます。
  4. 表紙を360度回転させれば元通りになります。

この作業を何度か繰り返すと、リングの噛み合わせが広がって、着脱しやすくなります。広がりすぎると、意図せず脱落するおそれがあるので、ときどき指で締め付けて整えてやると良いでしょう。

こうして、特別な道具を利用したり、何か買い足したりせずに、ダブルリングノートをルーズリーフバインダー風に利用できます。

普通紙のダブルリングノートではクリアホルダーを利用すれば、中紙の破損を防ぎつつ抜き差しできます。

B6サイズは不遇

もっと手軽に着脱したいとか、保管用のバインダーが欲しいとなると、B6サイズはとても不遇な立場にあります。

リングノートのように360度回転するバインダーとして、「コクヨ キャンパスバインダー〈スマートリング〉」シリーズがありますが、A5サイズまでしか展開されていません。

通常のルーズリーフバインダーもA5サイズまでです。コクヨ以外のメーカーも申し合わせたように同様のラインナップです。

インターネットで「B6 バインダー」を検索すると、「京大式カード」を綴じる横使いの2穴バインダーだったり、穴のピッチがちがう「リヒトラブ ツイストリングノート B6」だったりします。

どうしても360度回転するB6サイズのバインダーが欲しければ、「ルーズリング」をカスタムして自作することになります。

その他の耐水防水ノート

無地でなくていい。いや、横罫や方眼のほうがいい、という人には選択肢が豊富です。

Amazonで3冊まとめ買いした

「ライフ アウトドアノート B6」を買い足そうと思ったのですが、なぜか文房具店に並んでいません。新宿の東急ハンズにも、ヨドバシカメラの文房具売り場にもありません。

Amazonで買おうか。えっ、送料200円? コンビニで受け取れない? 1週間くらいかかる? なんてこったい。最寄りの文房具店で取り寄せしようか。悩んでいるうちに、はっと思い当たりました。

私は「Amazonプライム」の会員です。ログインして価格の横に「Prime」と表示されているページから購入すると、送料無料コンビニ受け取り可能翌日配達でした。

この唯一無二の耐水防水ノートの愛用者が増えて、末永く製造販売されることを願ってやみません。

久しぶりにこのノートのことを調べていたら、「アウトドアシリーズは製造を終了いたしました」とのこと。ショック!

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