
ヘッドランプの予備電池は、登山の必携品です。
日帰り登山でも、万一の日没に備えてヘッドランプを持ち、その電池残量を確認します。テント泊や早朝出発を伴う登山なら、なおさらです。
ところが、予備電池をいくら用意していても、どうにもならないことがあります。
ヘッドランプ本体が故障したら、予備電池は役に立ちません。
これは、私自身が山で経験したことです。
かつてテント泊で雪山に入ったとき、ヘッドランプの電源が入らなくなりました。スイッチの不具合だったのか、内部の回路が故障したのか、はっきりした原因はわかりません。ともかく、いくら操作しても点灯しないのです。
幸い、いまや登山の標準装備であるスマートフォンにはライト機能があります。暗闇のなかでまったく光を失ったわけではなく、その小さな光を頼りにテント泊の夜を過ごすことができました。

しかし、スマートフォンのライトはヘッドランプの代わりにはなりません。
片手がふさがります。足元と進行方向を同時に照らすのも難しくなります。スマートフォンのバッテリーは、通信や位置確認のためにも温存しておきたいところです。
翌朝は早い時間からバリエーションルートをアタックする予定でした。
けれども、ヘッドランプが使えないまま暗い登山道を歩くわけにはいきません。結局、予定していたアタックを取りやめ、そのまま下山することにしました。
幸い、事故には至りませんでした。計画を変更する余地もありました。
しかし、もしこれが夜間の行動中だったら。もし下山を急がなければならない状況だったら。もしエスケープルートが乏しい雪山のテント泊縦走だったら。
そんなことを考えずにはいられませんでした。
登山の装備には、軽量化のために削ってよいものと、削らないほうがよいものがあります。
ヘッドランプの予備電池はもちろん必要です。しかし、予備電池が守ってくれるのは、基本的に電池切れに対してです。
それ以来、私はヘッドランプの「2台持ち派」になりました。
メインとサブ。二つの独立した光源を用意します。
何も同じ高性能モデルを2台持つ必要はありません。サブは小型軽量なモデルでもよいでしょう。ただし、いざメインが使えなくなったとき、安全な場所まで行動できるだけの性能は欲しいところです。
この記事では、ヘッドランプを2台携行する理由から、予備電池の使い回し、ハイブリッド型と充電専用型の組み合わせ、そして主要ブランドのメインとサブの選び方まで考えてみます。
予備電池では対処できない、ヘッドランプ本体の故障
電池切れと本体故障は、まったく違います

ヘッドランプが点灯しなくなる原因として、真っ先に思い浮かぶのは電池切れでしょう。
乾電池式なら新しい乾電池に交換します。充電式なら、対応する交換用バッテリーやモバイルバッテリーからの充電を考えます。
しかし、電源が十分でもヘッドランプが点灯しないことはあります。
例えば、次のような不具合です。
- スイッチの接触不良や破損
- 内部の電子回路の故障
- 電池端子の腐食や接触不良
- ケーブルや接続部分の断線
- 落下や衝撃による破損
- 浸水などによる電気系統のトラブル
電池の接触不良なら、端子の確認や電池の入れ直しで復旧することもあります。ロック機能の誤操作など、故障ではない原因も考えられます。
しかし、本体の電子回路やスイッチが完全に故障していたら、新しい電池を何本入れても光は戻りません。
予備電池は電源のバックアップであって、照明機器そのもののバックアップではありません。
この当たり前の違いを、私は実際に故障を経験するまで十分に意識していませんでした。
ヘッドランプは2台で一組――メインとサブの役割
メインには通常の夜間行動に十分な性能を
メインのヘッドランプは、登山中に日常的に使う照明です。
夜明け前の出発、日没後の下山、テント場での作業など、あらゆる場面で使います。
そのため、明るさだけでなく、配光、実用的な照射時間、操作性、装着感、電源の信頼性を重視したいところです。
私には200ルーメン前後が、いちばん使いやすい

これまでさまざまなヘッドランプを使ってきた経験から、私は200ルーメン前後が、明るさとバッテリーの持続時間のバランスに優れていると感じています。
一般登山道を歩くには十分な明るさがあり、むやみに高出力モードを使う必要もありません。
もちろん、整備された登山道なら100ルーメン以下でも歩ける場合があります。一方、段差の大きい登山道や岩場では、さらに明るさが欲しくなることもあります。
私がメインのヘッドランプに求めたいのは、200ルーメン前後の実用的な明るさを、長時間安定して維持できることです。
通常の夜間歩行であれば、その程度の明るさを4〜6時間ほど確保できるモデルを、一つの目安にしています。もちろん、長時間の夜間行動が想定されるなら、予備電池やサブも含めてさらに余裕を持たせます。
最大光量の落とし穴

最近は、最大500ルーメン、1,000ルーメン、あるいはそれ以上の大光量を誇るヘッドランプも珍しくありません。
しかし、一般登山道を歩くのに、そこまでの明るさが常に必要なわけではありません。
大光量が真価を発揮するのは、複雑な地形でのルートファインディングや、少し離れた地形・目標物を確認したい場面でしょう。
例えば、岩稜で次に進むべきルートを探したり、広い斜面で進行方向の地形を確認したりするときには、強い光が頼りになります。
ただし、高出力モードは電力消費が大きくなります。一部の高出力モデルでは、発熱の抑制や省電力のため、点灯後に一定時間経過すると自動的に光量を落とすものもあります。
そのため、最大光量と公称照射時間だけを見て、その明るさが長時間続くと思い込まないことが大切です。
大光量は、必要な場面で必要な時間だけ使う。
最大光量の数字を競うよりも、普段の歩行で使いやすい明るさを確保し、必要なときに出力を上げられること。その使い分けができるヘッドランプを選びたいものです。
サブにも、ある程度の実用性が必要です

予備のヘッドランプというと、非常用の小さなライトを思い浮かべる人も多いでしょう。
確かに、数十グラム程度の軽量なライトでも、まったく光がない状態からは脱出できます。
しかし、テント内で荷物を探すための光と、暗闇の岩場を安全に通過するための光は違います。
ここで考えたいのは、サブが何のために存在するのかということです。
単に「光がある」ことを保証するのでしょうか。それとも、メインが故障しても、安全な場所まで行動できることを目指すのでしょうか。
私は後者を重視したいと思います。
そのため、サブとして携行するローエンドモデルであっても、最大200ルーメン程度の照射能力は欲しいところです。
もちろん、常に最大光量で使うわけではありません。普段は控えめな明るさで電池を節約し、足場の悪い場所や進路を確認したい場面で、必要に応じて出力を上げられることが重要です。
また、最大200ルーメンという数字だけでなく、通常の歩行に必要な明るさをどれくらい維持できるかも確認しておきたいところです。
一般登山道であれば小型軽量なモデルでも対応できるかもしれませんが、岩稜や雪山、長時間の夜間下降では、サブにもメインに近い性能が求められます。
だからこそ、サブを選ぶときには、メインを失った場合に何をする必要があるのかを考えておきたいところです。
ハイブリッド型を2台持つか、充電専用型を組み合わせるか

ヘッドランプを2台持つことにしたら、次に考えたいのが電源方式です。
従来からある乾電池式には、市販の乾電池や単4形・単3形の汎用充電池で動作するモデルがあります。電池を入手しやすく、予備を携行しやすいのが魅力です。
現在の登山用ヘッドランプでは、こうした汎用電池の利点を残しながら、専用充電池にも対応する「ハイブリッド型」が、定番の選択肢となっています。
この方式は、ペツルが「HYBRID CONCEPT(ハイブリッドコンセプト)」として早くから普及を進めてきました。ブラックダイヤモンドなどにも同様の仕組みがあり、「Dual-Fuel(デュアルフューエル)」と呼ばれています。
代表的なのは、専用バッテリと単4形乾電池3本を使い分けられるタイプです。
- 専用バッテリと単4形乾電池、明るさと持続時間はどう違う?
- 専用バッテリ(リチウムイオン充電池)は、高出力時にも電力を供給しやすく、明るさを比較的安定して維持できる機種があります。一方、電池残量が少なくなると、急に減光したり消灯したりする場合があります。単4形アルカリ乾電池は、使用に伴って電圧が低下し、明るさが徐々に落ちていく傾向があります。
一方、USBなどで充電する「充電専用型」は、小型軽量なモデルも多い反面、電池が切れても乾電池に交換することはできません。
どちらにも長所と短所がありますが、2台持ちとなると、さらに電源の共通化と分散という観点が加わります。
ここからは、三つの組み合わせについて考えてみましょう。
組み合わせ① ハイブリッド型+ハイブリッド型

まず考えたいのが、ハイブリッド型を2台持つ方法です。
例えばメインとサブがともに単4形乾電池3本に対応していれば、予備の乾電池を共通化できます。
メインが故障しても、サブに電池を移して使用できます。反対に、メインの電池が消耗したとき、サブ用に用意していた電池を利用することもできます。
電池の種類を減らせるのは、パッキングの簡素化にもつながります。特に充電する機会が限られる長期山行では、電源管理がわかりやすくなるでしょう。
さらに、ギア好きの登山者には、もう一つ魅力的な運用方法があります。
愛用のヘッドランプがモデルチェンジしたら、買い足すと決めるのです。
新型をメインに据え、使い慣れた旧型をサブに回します。新旧ともハイブリッド型なら、自然と2台持ちの体制が整います。
「まだ使えるのに、新しいモデルが欲しい」。そんなギアマニア特有の悩みに、安全対策という立派な購入理由ができるわけです。
組み合わせ② ハイブリッド型+充電専用型

もう一つは、メインにハイブリッド型、サブに小型軽量なUSB充電専用型を選ぶ方法です。
サブは独立した内蔵バッテリーで動作するため、メイン用の乾電池とは別の電源を持てます。
モデルによっては大幅な軽量化も可能です。
例えば、メインは単4形乾電池に対応する実用的なヘッドランプとし、サブには軽量で一定の照射性能を備えた充電式モデルを選びます。
メインが電池切れになれば乾電池を交換できますし、本体が故障すれば独立したサブを使用できます。
乾電池の交換とUSB充電という異なる方法で電源を確保できるのも利点です。
一方、内蔵バッテリー式は容量の確認と充電管理が欠かせません。製品によっては、電池が劣化しても現場で交換できません。
また、長期の山行では、USB充電のための電源をどのように確保するかも考える必要があります。
組み合わせ③ 充電専用型+充電専用型

高性能なUSB充電式をメインに、軽量なUSB充電式をサブにする組み合わせもあります。
両方の充電端子が共通なら、同じケーブルやモバイルバッテリーを利用できることもあります。
現在の充電式ヘッドランプには、軽量で高性能なモデルもあるため、必ずしも乾電池対応にこだわる必要はありません。
ただし、予備の乾電池を持っていても使えないため、一般的にはモバイルバッテリーや充電可能な場所への依存度が高くなります。
特に長期山行では、スマートフォンやGPS機器など、ほかの電子機器との電力の配分も考慮しなければなりません。
2台とも十分に充電して出発し、サブの残量も定期的に確認することが重要です。
【新発想】ヘッドランプそのものを「予備電池」にする――3台・4台の使い切りリレー

ここまで、ハイブリッド型と充電専用型を組み合わせる方法について考えてきました。
しかし、充電専用型には、もう一つ面白い運用方法があります。
ヘッドランプ本体を、電池が内蔵された「予備電池」と考えてしまうのです。
ヘッドランプの故障に備えて予備の本体を持つ。電池切れに備えて予備電池を持つ。
これまで別々に考えてきた二つの備えを、一つにまとめる発想です。
2台で足りなければ3台、必要なら4台と、充電済みのヘッドランプを持っていきます。
充電する代わりに、次の1台へ切り替える

モバイルバッテリーは便利な道具ですが、蓄えた電力をヘッドランプへ移す際には、電圧変換や充電回路で一定の損失が発生します。
充電ケーブルを接続する手間もあります。雨や雪のなかでは充電端子を濡らさないように気を遣いますし、ケーブルの断線や接触不良も考えられます。
それなら、最初から充電済みのヘッドランプを複数持っていったらどうでしょう。
メインの電池が減ったら2台目へ。2台目も消耗したら3台目へ。必要なら4台目へと切り替えます。
いわば、充電済みのヘッドランプを次々に投入する「使い切りリレー方式」です。
もちろん、完全に放電するまで使う必要はありません。照射性能が不足し始めた段階で、次の1台に切り替えればよいのです。
この方式なら、山中での充電作業を減らせます。予備の電力と予備の光源を、同時に増やせるのも魅力です。
ただし、ヘッドランプを増やせば、電池だけでなくLEDや電子回路、筐体などの重量も増えます。電力量あたりの重量効率では、モバイルバッテリーのほうが有利な場合もあります。
何台持てば十分なのかは、実用照射時間と総重量を比べて判断したいところです。
3台目以降はヘッドバンドを外して軽量化する

ヘッドランプの重量には、光源や電池を内蔵した本体だけでなく、頭に固定するためのヘッドバンドも含まれています。
そこで、3台目以降はバンドを取り外し、本体だけを携行する方法が考えられます。
バンドを取り外せる軽量モデルなら、複数台を持つ際の重量増加をある程度抑えられます。
ただし、バンドを容易に取り外せるかどうかは機種によります。また、メインのバンドに付け替えられるとは限りません。
少なくともメインとサブの2台は、いつでも頭に装着して使える状態にしておきたいところです。3台目以降についても、必要なときに確実に装着できる方法を確認しておきます。
バンドを外して軽くなっても、暗闇のなかで取り付けに苦労するようでは本末転倒です。
メーカーも機種も、あえて統一しない――3台目からは自由な発想で

3台、4台と持つなら、必ずしも同じメーカーや機種にそろえる必要はありません。
例えば、あるメーカーのモデルは広範囲を照らすのが得意で、別のメーカーのモデルは遠距離照射に優れています。暖色系の光が心地よいモデルもあれば、軽量で装着感のよいモデルもあります。
実際に使い比べているうちに、自分の好みに合ったメーカーや機種が見えてくるかもしれません。気に入ったモデルを少しずつ買い足していけば、ヘッドランプのコレクションそのものが、実用的なバックアップシステムになります。
もちろん、異なる機種を持つ場合には、それぞれの操作方法を覚え、出発前に点灯状態と電池残量を確認しておく必要があります。
必ずしも万人向けではありません。台数が増えれば重量も費用も管理の手間も増えます。
予備電池を増やすより、ヘッドランプを増やす。
少々ぜいたくな方法ですが、道具好きの登山者には、案外こちらのほうが性に合うかもしれません。
私なら、どの組み合わせを選ぶか
三つの組み合わせには、それぞれ合理性があります。
私なら、単に日帰りか宿泊かで決めるのではなく、次の四つの条件を重視します。
- 夜間行動の長さ:何時間の暗闇を歩く可能性があるか。
- 補給・充電の機会:途中で乾電池を購入したり、USB機器を充電したりできるか。
- 気温と環境:氷点下の低温、雨、雪、岩場など、機器に厳しい条件があるか。
- メイン故障時の撤退の難しさ:サブだけでどこまで行動する必要があるか。
この四つを踏まえると、山行スタイルごとにふさわしい組み合わせが見えてきます。
長距離の日帰り登山――軽量な②を基本に、夜間行動が長いなら①

日帰り登山では、装備の重量をできるだけ抑えたいものです。
といっても、夜明け前から出発する長距離登山や、日没ぎりぎりまで行動する山行では、ヘッドランプの重要性が高まります。
例えば、丹沢の大倉尾根を夜明け前から登る場合と、長大な尾根を越えて日没後に下山する場合とでは、必要な照射時間も違います。
私なら、一般的な長距離の日帰り登山には、②「ハイブリッド型+充電専用型」をまず考えます。
メインには実用的な明るさと十分な照射時間を備えたハイブリッド型を選びます。サブには、軽量ながらも夜間歩行に対応できる充電式モデルを用意します。
この構成なら、メインの電池切れには乾電池の交換で対応でき、本体が故障すればサブに切り替えられます。
ただし、長距離の日帰り登山でも、標高差が大きく、夜間の下降が長時間に及ぶ可能性がある場合は話が変わります。
サブが数時間の暗闇に耐えなければならないのであれば、軽量性よりも照射時間を優先したくなります。
その場合には、①のハイブリッド型2台も有力です。
日帰りだからといって、サブの性能を軽視するのは禁物でしょう。
ロングトレイル――充電できる環境なら③、補給が不確実なら①や②

ロングトレイルでは、何日も歩き続けることになります。
ここで重要なのは、山中で何泊するかだけではなく、途中でどのように電力を補給するかです。
町や宿泊施設を定期的に通過し、USB充電ができる環境なら、③「充電専用型+充電専用型」が合理的な選択になります。
乾電池の買い置きを減らせますし、軽量なモデルを組み合わせれば携行重量も抑えられます。
スマートフォンやGPS機器のために、もともとモバイルバッテリーを携行している場合も多いでしょう。ヘッドランプも同じ充電環境で管理できれば便利です。
また、前述のコラムで紹介した、充電済みのヘッドランプを3台、4台と携行する方式も、ロングトレイルでは検討する価値があります。
例えば、次の充電地点までに必要な照射時間が見積もれているなら、その時間を十分に満たすだけのヘッドランプを用意し、順番に使う方法です。
この場合、ヘッドランプのために山中でモバイルバッテリーを使用する必要がなくなるかもしれません。
ただし、長期山行では、スマートフォンやGPS機器など、ほかの電子機器との電力配分も考慮しなければなりません。
また、充電済みヘッドランプを多数携行する場合でも、必要な照射時間に対して十分な余裕があるか確認しておきたいところです。
一方、人里から長期間離れるロングトレイルや、充電環境が不確実なルートでは事情が異なります。
途中で乾電池を補給できる見込みがあれば、①のハイブリッド型2台が使いやすいでしょう。
乾電池の補給も難しい場合には、持参する電池の総容量と重量、予想される夜間使用時間を比較する必要があります。
ロングトレイルだから充電式が最適とも、乾電池式が最適とも一概には言えません。
補給できるものを中心に電源システムを組み立てるという考え方が重要です。
テント泊縦走――充電機会が乏しいなら①、短期なら②も有力

数日間のテント泊縦走では、ヘッドランプを使う時間が積み重なります。
早朝の出発、日没後のテント設営、夜中の行動、悪天候による予定変更。長く山に入るほど、想定外の暗闇に対応する機会も増えます。
例えば、北アルプスの稜線を何日も縦走するような山行では、充電設備が常に利用できるとは限りません。
私なら、充電機会の乏しいテント泊縦走には、①「ハイブリッド型+ハイブリッド型」を有力候補にします。
2台が同じ規格の乾電池に対応していれば、予備電池を共通化できます。必要な電池の本数を見積もりやすく、山行中の電源管理も比較的単純になります。
サブも通常の夜間歩行に使えるローエンドモデルを選んでおけば、メインが故障しても行動を継続するための選択肢が残ります。
もっとも、2~3日の比較的短いテント泊山行なら、②も十分検討できます。
メインをハイブリッド型、サブを充電専用型にして、スマートフォン用のモバイルバッテリーから必要に応じて充電する構成です。
この場合には、サブのバッテリーが十分に充電されていることと、モバイルバッテリーに余裕があることが前提になります。
逆に、どちらの方式でも必要な照射時間を確保できるなら、電池やモバイルバッテリーまで含めた総重量を比較したいところです。
単純にヘッドランプ本体が軽いというだけでは、荷物全体が軽くなるとは限らないからです。
雪山・厳冬期登山――①を軸に、低温下での電池性能を最優先

雪山では、ヘッドランプの故障が深刻な問題につながりやすくなります。
日照時間が短く、早朝や夕方の暗闇に行動する機会も増えます。吹雪や濃霧で視界が悪化すれば、日中でもヘッドランプが必要になる場合があります。
さらに、低温が電池の性能に影響します。
一般に、電池は低温下で取り出せる電力が低下する場合があります。特にリチウムイオン充電池は、低温下での出力低下に加え、充電温度にも注意が必要です。
私なら、厳冬期の長期山行には、まず①「ハイブリッド型+ハイブリッド型」を検討します。
ただし、ハイブリッド型なら無条件に寒さに強いわけではありません。
単4形乾電池対応モデルでも、使用できる電池の種類は機種ごとに異なります。低温特性に優れる一次リチウム乾電池を使いたくても、メーカーが対応を認めていなければ使用すべきではありません。
アルカリ乾電池も、厳しい低温環境では性能が低下しやすくなります。
そのため、電池方式の選定に加えて、メーカーが定める使用温度範囲、対応電池、保温方法を確認することが重要です。
②の組み合わせを選ぶ場合には、充電専用型のサブを十分に保温できるかどうかも考えたいところです。
また、厳冬期のヘッドランプには、手袋を着用したまま操作できることや、意図しない点灯を防ぐロック機構も求められます。
メインとサブのどちらも、手がかじかむような状況で確実に扱える必要があります。
重量の軽さよりも、低温下の信頼性と、故障後の行動を支える性能を優先したいものです。
岩登り・アルパインクライミング――②を基本に、サブにも十分な照射性能を

岩登りでは、ヘッドランプの重要性がさらに高まる場面があります。
一般登山道と違い、暗闇のなかでホールドやスタンスを探したり、ロープを操作したりしなければならないことがあるからです。
特にアルパインクライミングでは、予定外の時間を要して日没を迎える可能性があります。
登攀中や下降中にメインのヘッドランプが故障すると、行動そのものが困難になりかねません。
私なら、まず②「ハイブリッド型+充電専用型」を考えます。
メインには、十分な照射性能を備え、ヘルメットに確実に装着できるモデルを選びます。
サブには、軽量でコンパクトながらも、足元だけでなく手元のロープやホールドを確認できるモデルを選びます。
この場合、極端に照射性能の低い非常用ライトでは心細く感じられます。
また、岩登りではサブの収納場所も重要です。
ザックの奥深くにしまい込んでいたのでは、ビレイ中や懸垂下降中に取り出すのが難しくなります。落下や紛失を防ぎながら、必要なときに取り出せる場所に収納する工夫が必要です。
長時間の夜間行動や下降が予想されるアルパインルートでは、①のハイブリッド型2台も有力になります。
さらに、氷点下の登攀を伴う場合には、先ほどの雪山と同じく電池の低温特性を重視したいところです。
岩登りだから軽いライトがよい、というだけではありません。
両手を自由に使えないことが、どれほど深刻な問題になるか。
その観点から考えると、サブのヘッドランプにも通常の照明として使える性能を確保する意味が見えてきます。
結局、何を優先するか
ここまでの考え方を整理すると、おおむね次のようになります。
| 山行スタイル | 優先する組み合わせ | 重視する条件 |
|---|---|---|
| 長距離の日帰り登山 | ②、条件によって① | 軽量性と夜間下降への対応 |
| ロングトレイル | ③、補給条件によって①・② | 充電・電池補給の確実性 |
| テント泊縦走 | ①、短期間なら② | 電源の共通化と長期間の持続性 |
| 雪山・厳冬期登山 | ①を軸に検討 | 低温性能と操作の信頼性 |
| 岩登り・アルパイン | ②または① | 実用照射性能と取り出しやすさ |
ただし、これは山行スタイルによる大まかな目安です。
例えば、日帰り登山でも撤退が難しい岩稜なら、サブに高い照射性能が必要になります。逆に、長期のロングトレイルでも定期的に充電できるなら、充電専用型2台で合理的なシステムを組めます。
また、充電専用型を3台、4台と持つ方法も、総重量と必要な照射時間が釣り合うなら選択肢に入ります。
そして、組み合わせを比較するときには、ヘッドランプ本体、予備電池、充電ケーブル、必要なモバイルバッテリーまで含めた総重量を比べることも忘れたくありません。
- ハイブリッド型の2台持ちは、電池の共通化に優れています。
- ハイブリッド型と充電専用型の組み合わせは、電源方式を分散しながら軽量化を図れます。
- 充電専用型の2台持ちは、充電環境が整っていればシンプルで軽量な構成にできます。さらに、充電済みのヘッドランプを必要な台数だけ持ち出す運用にも発展させられます。
どれが正解かは、持っていく山によって変わります。
大切なのは、2台を別々に選ぶのではなく、予備電池や充電手段まで含めて、一つの照明システムとして考えることです。
ブランド別おすすめのメインとサブ
ここからは、日本で比較的知られている主要ブランドについて、メインとサブの候補を考えてみます。
以下は機種選定のための暫定リストです。現行モデル、国内販売状況、電池互換性、詳細な照射性能については、今後さらに確認していきます。
PETZL(ペツル)
ペツルは、登山用ヘッドランプの定番ブランドです。一般登山からアルパインクライミング、トレイルランニングまで、幅広い用途に対応する製品を展開しています。
なかでも魅力的なのは、専用充電池「CORE」と単4形乾電池3本を使い分けられるハイブリッド型の充実ぶりです。
メインには、照射性能を重視したモデルと、シンプルで扱いやすいモデルを選びました。サブには、実用的な明るさを備えた軽量モデルと、最低限の非常灯を挙げます。
メイン候補①:ACTIK CORE(アクティック コア)
明るさと使い勝手のバランスに優れた、ハイブリッド型の主力モデルです。
付属の専用充電池「CORE」に加え、単4形乾電池3本にも対応します。近距離を広く照らす配光と、遠方を照らす配光を使い分けられ、夜明け前の出発から日没後の下山まで、幅広い登山シーンに対応できます。
夜間行動が長くなる山行や、ルートファインディングを伴う登山でも、メインとして頼りになる一台です。
メイン候補②:TIKKA(ティカ)
シンプルな操作性と必要十分な照射性能を備えた、ペツルの定番モデルです。
単4形乾電池3本に加え、別売りの専用充電池「CORE」にも対応します。
ACTIK COREほどの高出力は必要としない一般登山や、テント場での作業などに向いています。
ACTIK COREをメインに、TIKKAをサブに回す組み合わせも有力です。電源を共用できるため、予備電池の管理がシンプルになります。
しかも、TIKKAは単なる非常灯ではありません。メインが故障しても、ある程度の夜間行動を引き継げる実用性を備えています。
サブ候補①:SWIFT LT(スイフト LT)
軽量・コンパクトながら、実用的な照射性能を備えたUSB-C充電式ヘッドランプです。
細いコード式ヘッドバンドを採用し、携行時のかさばりを抑えられることが特徴です。
専用充電池や乾電池を交換する方式ではなく、内蔵バッテリーを充電して使用します。
ACTIK COREと組み合わせれば、ハイブリッド型の電源選択肢を確保しながら、サブの重量を抑えられます。
単なる緊急用ではなく、メインが故障した際にも夜間行動を継続できる性能を期待したい人に向いています。
サブ候補②:e+LITE(イーライト)
小型・軽量で、非常用として携行しやすいヘッドランプです。
ボタン電池を使用する方式で、充電式ではありません。コンパクトに収納でき、緊急時の最低限の明かりを確保する用途に向いています。
ただし、照射性能や持続力には限界があります。
テント場での作業や手元の確認には役立ちますが、メインが故障したあと、暗い登山道を何時間も歩き続けるような用途には心もとないところです。
「予備の明かりを確保すること」と「メインの役割を引き継ぐこと」は、やはり別の話です。
その意味では、e+LITEはサブというより、最後の保険として考えたほうがよいかもしれません。
Black Diamond(ブラックダイヤモンド)
ブラックダイヤモンドは、登山やクライミング向けに、幅広いヘッドランプを展開しています。
メインには、乾電池と専用充電池を使い分けられるハイブリッド型の2機種を選びました。サブには軽量性を重視したモデルと、あえて照射性能に余裕を持たせたモデルを挙げます。
メイン候補①:Spot 400(スポット400)
最大400ルーメンの明るさを備えた、バランスのよいモデルです。
単4形乾電池3本に加え、別売りの専用充電池「BD 1500」にも対応します。明るさ、配光、操作性のバランスがよく、夜明け前の出発から日没後の下山まで、幅広い登山シーンで使いやすい一台です。

メイン候補②:Astro 300(アストロ300)
最大300ルーメンの、シンプルで扱いやすいモデルです。
Spot 400と同様に、単4形乾電池3本と専用充電池「BD 1500」を使い分けられます。
機能を必要十分なものに絞ったモデルなので、日常的な登山から予備用まで幅広く使えます。
Spot 400をメインに、Astro 300をサブに回す組み合わせも有力です。電源を共用できるため、予備電池の管理もシンプルになります。
サブ候補①:Deploy 325(ディプロイ325)
最大325ルーメンの照射性能を備えた、軽量・コンパクトなUSB-C充電式ヘッドランプです。
薄型の本体と細いヘッドバンドが特徴で、携行時にもかさばりません。
単なる非常灯ではなく、通常の夜間行動にも対応できる実用性を持ちながら、装備全体の重量を抑えたい人に向いています。
サブ候補②:Storm(ストームシリーズ)
あえて高出力なストームをサブにする選択肢もあります。
サブのヘッドランプは、軽量・コンパクトなモデルが選ばれがちです。しかし、メインが故障したとき、まだ長い夜間行動が残っていたらどうでしょうか。
暗い岩場でルートを探す。悪天候のなかで下山する。そんな場面では、最低限の明かりよりも、メインに匹敵する照射性能を備えたサブのほうが頼もしく感じられるはずです。
もちろん、重量や収納性ではディプロイ325に譲ります。それでも、メインを失ったあとも行動能力をできるだけ落としたくないという登山者には、検討する価値があります。
なお、同じハイブリッド型でも、ペツルとブラックダイヤモンドとでは、充電池の充電方法には違いがあります。
ペツルのCOREは、充電池にUSB-Cケーブルを直接差し込んで充電できます。一方、ブラックダイヤモンドのBD1500は、専用の充電器を介する必要があります。

milestone(マイルストーン)
マイルストーンは、日本発のアウトドア用ヘッドランプブランドです。登山やトレイルランニング向けに、独自の配光設計や装着機構を備えた製品を展開しています。
特に注目したいのは、交換式の専用充電池を採用するモデルです。対応する充電池をモバイルバッテリーとして利用できるため、照明用の電源をほかの電子機器にも活用できます。

メインには高性能なMS-iシリーズの2機種を選びました。サブには、電源の選択肢を持つハイブリッド型と、USB-C充電に対応するコンパクトなモデルを挙げます。
メイン候補①:MS-i1
複数のLEDを組み合わせた独特の配光設計と、コード式のヘッドバンドが特徴的な高性能モデルです。
広い範囲を照らす光と、前方を見通すための光を組み合わせ、夜間の登山やトレイルランニングなど、積極的な夜間行動を想定しています。
また、交換式の充電池を採用しているため、予備の電池を用意することで、長時間の行動にも対応しやすくなります。
さらに魅力的なのが、対応する専用充電池をモバイルバッテリーとして利用できることです。
所定の給電用アクセサリーを使えば、スマートフォンなどへの給電にも活用できます。
ヘッドランプの予備電池を、スマートフォンの緊急用電源としても使えるわけです。
特にテント泊縦走や長距離の登山では、複数の電子機器の電源をどう確保するかが問題になります。照明用とスマートフォン用の電力を柔軟に配分できるのは、大きなメリットでしょう。
メイン候補②:MS-i2
MS-i1とともに、夜間の積極的な行動を想定したMS-iシリーズのモデルです。
こちらも照射性能や装着感、操作性だけでなく、交換式充電池による電源運用に注目したいところです。
MS-i1と同様に、対応する専用充電池をモバイルバッテリーとして利用できる点が魅力です。
例えば、ヘッドランプ用に予備の充電池を携行していれば、いざというときにスマートフォンへ電力を供給することも考えられます。
ただし、ヘッドランプとスマートフォンで電力を共用する場合、双方の残量管理が重要になります。スマートフォンを充電した結果、夜間行動に必要な照明用の電力が不足しては本末転倒です。
MS-i1とMS-i2のどちらを選ぶかは、実際の配光、照射時間、操作性、装着感などを比較して判断したいところです。

サブ候補①:MS-K1 “Hybrid Model”
ハイブリッド型の電源方式を採用したモデルです。
専用充電池だけに依存せず、対応する別の電池も利用できるため、電源の選択肢を確保したい登山者に向いています。
サブのヘッドランプでは、軽量性ばかりに目が向きがちです。しかし、メインが故障した場合に、予備の電池を利用しながら行動できることにも価値があります。
MS-iシリーズをメインに、MS-K1をサブとして組み合わせるなら、電池の互換性や必要な予備電源を確認しておきたいところです。
サブ候補②:MS-G3 “USB-Type C Rechargeable Model Cool”
USB-C充電に対応したコンパクトなモデルです。
充電専用型なので、乾電池との互換性にこだわらず、小型軽量なサブを持ちたい場合の候補になります。
また、USB-C充電に対応しているため、スマートフォンなどと充電環境を共通化しやすいことも利点です。
メインにMS-i1やMS-i2を用意し、サブにMS-G3を組み合わせれば、高性能なメインと携行性を重視したサブという役割分担ができます。
ただし、サブとしての実用性を判断するには、低出力から中出力での照射時間や、実際の登山道での見え方を確認したいところです。
Ledlenser(レッドレンザー)
レッドレンザーは、ドイツ発のポータブルライトブランドです。ヘッドランプでは、独自の光学設計による配光性能と、用途に応じた豊富なラインナップが特徴です。
登山向けのMHシリーズには、充電池と乾電池を使い分けられるモデルがあります。一方、トレイルランニング向けのNEOシリーズには、軽量・コンパクトな充電専用モデルが用意されています。

メインにはMH7とMH8を、サブには電源の共用を重視したMH5と、軽量性を優先したNEO1Rを選びました。
メイン候補①:MH7
高い照射性能と、電源の柔軟性を兼ね備えたモデルです。
充電式のリチウムイオン電池に加え、単3形乾電池2本でも使用できることが大きな特徴です。
十分な明るさが欲しい夜間登山や、長時間の行動を想定する山行では、メインの有力候補になります。
また、サブにMH5を選べば、両機種で単3形乾電池を共用できます。
予備電池の種類を増やさずに、メインとサブの両方を運用できるのは、荷物をできるだけシンプルにしたい登山者にとって魅力的です。
メイン候補②:MH8
MH7と同様に、高い照射性能とハイブリッド型の電源方式を備えたモデルです。
充電式のリチウムイオン電池に加え、単3形乾電池2本にも対応します。
MH8の特徴は、通常の白色光だけでなく、赤・緑・青の補助光を備えていることです。
赤色光は暗闇に慣れた目への影響を抑えたい場面、緑色光や青色光は用途に応じた視認性の確保などに利用できます。もっとも、一般的な登山では白色光の性能が優先されるため、補助光の必要性は山行スタイルによって判断したいところです。
電源についてはMH7と同じく単3形乾電池を使用できるため、サブにMH5を選べば予備電池の種類を統一できます。
サブ候補①:MH5
充電池と単3形乾電池を使い分けられる、ハイブリッド型のヘッドランプです。
小型ながら実用的な照射性能を備え、単なる非常灯ではなく、メインが故障した際の夜間行動にも対応できるモデルです。
特に魅力的なのは、MH7、MH8と単3形乾電池を共用できることです。
MH7とMH8は単3形乾電池2本、MH5は1本で使用できます。必要な本数こそ異なりますが、予備電池の規格を統一できるため、荷物の管理がシンプルになります。
例えば、MH8をメイン、MH5をサブとして携行すれば、どちらかの充電池が使えなくなっても、予備の単3形乾電池で対応できます。
サブ候補②:NEO1R
軽量・コンパクトな充電式ヘッドランプです。
トレイルランニングなど、できるだけ装備を軽くしたい用途を想定したモデルですが、登山のサブとしても魅力があります。
小型ながら実用的な照射性能を備えており、万一メインが故障した場合にも、状況に応じて夜間行動を継続するための明かりとして期待できます。
ただし、NEO1Rは乾電池を交換する方式ではありません。また、充電には対応するマグネット式充電ケーブルを使用します。
MH7やMH8、MH5とは電源の共用方法が異なるため、複数日の山行では充電環境や予備電力を考えておく必要があります。
2台持っていても安心できない落とし穴
サブが使えるか、出発前に点灯確認する

サブのヘッドランプは、普段あまり使いません。
そのため、久しぶりに取り出してみたら電池が消耗していた、ということも起こり得ます。
充電池の自然放電や経年劣化、乾電池の液漏れ、スイッチの誤操作などにも注意したいところです。
サブだからこそ、出発前に実際に点灯させ、電池残量や操作方法を確認しておく必要があります。
充電専用型を3台、4台と持つ場合には、この点がさらに重要になります。
台数が増えたから安心するのではなく、それぞれの機器が正常に動作し、必要な照射時間を確保できることを確認しておきたいものです。
メインとサブは別の場所に収納する

同じ場所に2台をまとめて収納すれば、パッキングは簡単になります。
しかし、その収納袋ごと紛失したら、2台とも失ってしまいます。
メインは取り出しやすい場所に、サブは別のポケットなどに収納する方法も考えられます。
なお、サブを奥深くにしまい込みすぎると、暗闇のなかで取り出すことが難しくなります。分散とアクセスのしやすさの両立が大切です。
また、予備のヘッドランプを収納するときには、スイッチが押されて誤点灯しないように注意します。
ロック機能を備えた機種なら、適切に利用したいところです。
スマートフォンのライトは最後の保険

スマートフォンのライト機能は、思いがけない場面で役立ちます。
私自身、その恩恵を受けた一人です。
しかし、スマートフォンは通信、位置確認、地図の閲覧などにも利用する重要な装備です。
ライトとして使い続ければバッテリーを消耗しますし、手持ちでの使用では両手を自由に使えません。
あくまでも緊急時の補助として考え、登山用ヘッドランプのバックアップをスマートフォンだけに任せないほうがよいでしょう。
まとめ:予備電池は持つ。しかし、それだけでは足りない

登山では、装備の軽量化が重要です。
荷物が軽ければ体力を温存でき、行動の余裕にもつながります。
しかし、重量を削ることと、安全に必要な機能を削ることは同じではありません。
予備電池を持つのは当然として、ヘッドランプ本体にもバックアップを用意します。
メインに高性能モデル、サブに小型軽量モデルという組み合わせでもよいでしょう。電池の互換性を優先して、ハイブリッド型を2台持つ方法もあります。
あるいは、充電済みのヘッドランプそのものを予備電源と考え、3台、4台と携行する方法もあります。
大切なのは、自分の山行でメインが故障したときに、サブだけでどこまで行動できるかを考えておくことです。
かつて私は、ヘッドランプが点灯しなくなったために、予定していた早朝のアタックを断念しました。
結果的に無事に下山できたのですから、判断としては間違っていなかったと思います。
けれども、もう1台のヘッドランプがあれば、別の選択肢があったかもしれません。
予備電池では足りません。だから、ヘッドランプは2台持ちます。

















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