雪山用パンツとしてレインウェアを使う
2016-2017シーズンはGORE-TEX XCRのレインウェアを使った
雪山に復帰したばかりの昨シーズンは、ゴアテックスのレインウェアを使いました。
昔(二十世紀!)、雪山に通っていた頃は、ノースフェイスのレインウェアを使っていました。
雪山からいったん足を洗い、断捨離しました。
2004年頃、プチ登山熱が再燃したとき、新宿の好日山荘(まだ大ガード近くにあった)でレインウェアを買い直しました。上下セットのミズノ製品です。オリジナル防水透湿素材のベルグテックではありません。ゴアテックスのなかでも旧世代の「GORE-TEX XCR」のタグが付いています。
レインウェアのパンツはジャケットと同色が多いですが、これはパンツが黒です。レインウェアっぽくないので、いろいろ応用しやすいかなと思ったのですが、こうして見ると生地が薄く、クシャクシャで、雪山では貧相に見えます。
ファスナーは止水タイプではなく、ウェアのフラップや折り返しで雨が直撃しない作りになっています。厚いグローブをはめた手では扱いづらかったです。
2017-2018シーズンの初っ端はGORE-TEX C-NITバッカーのパンツを使った
昨シーズン、ICI石井スポーツでマーモットのインテグラルパンツをセール価格の1万3千円くらいで購入しました。
表地がマットな感触で、雪上で転倒しても滑りにくそうです。
ミズノは薄手の生地に強度を出すために縦横にグリッド状の糸が走っており、色味はやや青みがかっています。マーモットは生地が厚めで、色味が漆黒に近いです。
初冬の谷川岳でマーモットのインテグラルパンツをデビューさせたところ、思いのほか気温が高く(0℃前後)、行程の前半は蒸れ蒸れになりました。なかに着ている厚手のトレッキングパンツの伸縮性があまりよくないせいもあり、足上げがしにくかったです。
できれば脱ぎたかった。まだアイゼンは装着していなかったものの、早めにスパッツを着用していたので、脱ぐのが面倒くさい。せっかく脱いでも、すぐにまた履くのがわかりきっています。そのまま我慢して登り続けました。
サイドファスナーでフルオープンするパンツが欲しくなりました。暖かいときはトレッキングパンツのみで歩き、雪が深くなってきたら、靴を脱がずにアウターパンツを着用したい。最初から履いておき、暑ければサイドファスナーを開けて換気してもいい。初冬や残雪期には特にそういう状況が多くなります。
サイドファスナーでフルオープンするパンツが欲しい
購入候補① モンベルのライトアルパインパンツ
指名買いするつもりでモンベルストアに行きました。しかし、着用して、膝の屈伸をしてみたところ、固い感じです。お店の人の話では「細目」で「レインウェアに近い」とのこと。
グレードが高いアルパインパンツという手もありますが、どうせロングスパッツ(ゲイター)を着用するので、インナースパッツや頑丈なアイゼンガードは無駄になります。そこまで重厚で高価格になるなら、他ブランドを選びたくなります。
購入候補② ノースフェイスのマウンテンパンツ
新宿の好日山荘、ICI石井スポーツ、L-Breathあたりに置いてあるだろうと思い、実物を見に行きました。定価は税込みで4万円超えですが、ネット通販では2万円台後半が見受けられました。これならモンベルのアルパインパンツと同等です。
好日山荘になんと2万円台前半で並んでいました。が、サイズはXLばかり。お店の人によれば、アウトレット品として入荷した時点でXLサイズばかりだったとのことです。
まぁ、実物をさわった感触がよければ、ネットで買えばよいのですが、やはり自分の使い方ではインナースパッツや頑丈なアイゼンガードは無駄になるという思いがつきまといます。
お店の人は「こういうパンツは消耗品です。アルパインクライミングで岩とこすれたり、がんがんラッセルしたりするなら、ゴアテックス製の丈夫な製品が安心です」とおっしゃっていました。
購入候補③ ティートンブロスのブレスパンツ
サイドファスナーはありませんが、ネオシェル(現行モデルは新通気防水素材タズマ)製品の通気性の高さをマーモットのザイオンジャケットで実感しているので、このブレスパンツも候補としました。
好日山荘には置いてありませんでした。
TB Pantの旧モデル?が2万円台後半でしたが、ノースフェイスのマウンテンパンツよりはるかにインナースパッツやアイゼンガードがゴツく、山スキーやスノーボード向きのデザインとなっているようです。
昨シーズン、L-Breathでブレスパンツを見かけました。マーモットのインテグラルパンツを買った直後だったので、「しまった、こっちを買うべきだったか」と後悔しました。が、L-Breathに足を運ぶまでもなく、もっと魅力的な選択肢が目の前にありました。
アウトレット:ファイントラックのアルマパンツ
ファイントラックが2012年9月上旬に発売したアルマパンツです。
実を言うと事前にファイントラックのパンツも検討しました。現行モデルでは、サイドファスナーがフルオープンするパンツはありません。ダブルファスナーならぬ「上下4つのダブルアクションファスナー」がベンチレーションとなります。「そこまでするなら、もう少しファスナーを延長して、フルオープンにすればいいのに」と思いながら、購入候補から除外しました。
このアルマパンツはフルオープンできます。
陳列されているのはLサイズの1着だけ。試着したところ、サイズはピッタリでした。足の屈伸をしてみたところ、伸縮性が高く、突っ張る感じがほとんどありません。
こいつは私に買われるために、昨シーズンから、いや数年前からここで眠っていたにちがいない。
アルマパンツのタグ
前開き
サイドファスナー上部
最上部は金属製のホックで留めます。プルタブから引き抜いて分離できるのは上部側のみです。
サイドファスナー下部
最下部はホックで留めます。インナースパッツはありません。
アイゼンガード
あまり分厚くはありませんが、アイゼンガードが付いています。
大腿部のポケット
左右の大腿部にポケットが付いています。
大腿部のポケットはマチ付きです。
右側のポケットの内側にはループが付いています。
内面
内側の面は微細なグリッド状の生地になっています。GORE-TEX XCRやGORE-TEX PROと見た目は変わりません。
シームテープ
シームテープはこんな感じです。
重量
重量はLサイズで実測471gです。
独自素材エバーブレスの防水性・透湿性
※耐水圧は安全率を十分に考慮し、初期値20,000mmという値を保証値としています。
浸湿性:10,000g/m2・24hr(A-1法)耐久撥水加工
※ アルマパンツの紹介ページより引用
透湿性は数字だけ見ると控え目です。エバーブレスは経年劣化しにくいとされていますので、使用歴が長くなるほど実質的な透湿性が高く維持されることを期待しましょう。
実戦投入してみた
2017年12月に購入し、雪山で使い続けています。
ゴアテックス等の素材と比較して、特に蒸れると感じたことはありません。暑くなってきたら、すぐにサイドファスナーを腰から膝あたりまで開いて換気します。
なんと言っても、ストレッチ性能が素晴らしい。ゴアテックスのレインウェアで感じていた「足上げで突っ張る感じ」がなくなりました。
当分はアルマパンツで雪山を歩きます。
アルマパンツの後継モデル
2018-2019シーズン、アルマパンツは店頭でもネットショップでも姿を消しました。後継モデルに相当するのは、やや重めの「アクロパンツ」とやや軽めの「バリオパンツ」となります。
アクロパンツ
サイドファスナーは腰から裾まで付いていますが、フルオープンできません。4つのスライダーを組み合わせて、好きな位置を開放できます。
バリオパンツ
サイドファスナーは太ももの横に数十センチだけ付いています。
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