新島々~上高地の路線バスが往復とも予約制になりました。
筆者が2023年6月に上高地を訪れたときに「上高地→新島々駅」はすでに予約制に移行していたらしい。
※2020年度より上高地から新島々駅行きのバス整理券は廃止となり、予約制となりました。☞「上高地バスターミナル周辺案内」
バスターミナルで以前のように飛び込みで切符を買えたので気づきませんでした。
2025年7月、上高地に出かける前夜にアルピコ交通のホームページで時刻表を調べようとしたら、往復とも予約が必要になったと知り、あわてて予約しました。
※2025年度より新島々→上高地行についても事前の便指定が必要となります。
☞「【上高地・乗鞍地区】2025年度の運行内容及び予約受付について」
予約方法と、実際の運用
上記リンクをクリックすると、アルピコ交通のホームページではなく、「発車オーライネット」という予約サイトに飛ばされます。
会員登録
会員登録が必須となります。決済方法としてクレジットカード、d払い、PayPayを選択できます。
便の予約
カレンダーで出発日を選択する


「便」と「号」を選択する


現在の時刻以降に予約可能な「便」がずらりと1ページに表示されます。同じ時刻に発車する「便」がさらに「01号車」「02号車」…と分かれています。バス会社が混み具合を予想してバスの台数を決めているようです。
「01号車は混むだろう。02号車のほうがゆったり座れるにちがいない」と考える人が多いのか、なぜか「02号車」のほうが先に満車になる場合があります。
予約時の画面遷移については詳細を割愛します。
「予約完了/未決済」という画面までたどりついたらひと段落です。「未決済」なので、まだ手続きは完了していません。
予約確認メールを確認する
次のどちらかの件名でメールが届きます。
- 予約確認メール (お支払いは完了しておりません)[発車オ~ライネット]
- ★メール乗車票 兼 クレジット購入確認メール ★[発車オ~ライネット]
下のほうにスクロールしていくと、マイページへのログインリンクがあります。


発車オーライネットの「マイページ」を開く


予約確認メールに記載されているリンクから発車オーライのページを開き、「マイページ」リンクをクリックします。ご予約一覧のページをスクロールして予約した便を探します。予約した便が「発券済」となっていれば手続き完了です。
もし「未発券」となっていたら、「この予約を操作する」をクリックすると詳細画面(薄い青色)が開くので、「決済に進む」から決済を完了してください。

決済が必要な時は「決済に進む」リンクが有効になります。
現地でモバイルチケットを提示する



バスの乗車時、スマホ画面に表示したモバイルチケットを係員に提示します。
「マイページ」で予約した便を探し、「この予約を操作する」をクリックすると、詳細画面(薄い青色)が開くので、「モバイルチケット」をクリックしてください。ポップアップした画面でさらにモバイルチケットをクリックすると、モバイルチケット画面が表示されます。 発券済み が点滅しているはずです。
係員は「お客様氏名」を手元の紙のリストと照合したうえで乗車をうながします。予約システムを電子化したのに、アナログな確認方法です。なかなか目視照合できず、ひとり通すのに時間がかかることがあります。将来的にはモバイルチケットにQRコードを表示し、QRコードリーダーでピッと読み取る方向に進むでしょう。
便の変更
行きの予約は時間を決めやすいですが、登山後の帰りの予約は悩ましいです。なかなか正確に予定を立てられません。上高地発16:00の便がいちばん人気で、最初に満車になる場合が多いようです。
先日、小梨平キャンプ場でテント泊し、早めに登山を終え、テントを撤収しました。予約した15:15便まで2時間以上あります。
「小梨平食堂で飯でも食って、ひとっ風呂浴びようか……」
ふと「便の変更」のことを思い出しました。
「マイページ」から予約した便を探し、「便変更」したところ、13:20便にいとも簡単に変更できました。元の便で決済は済んでいるので、決済の認証画面等は出ません。むだに時間をつぶさずに済みました。
逆に、予定した便に乗り遅れた場合、変更手数料100円で対応してもらえます。
もし席に空きがあれば、飛び込みで乗車することも依然として可能と思われます。筆者が乗った便に、それらしい人が息せき切って乗り込んでくるのを見かけました。
松本~新島々のレガシー「鉄道上高地線」
上高地への往路は「新島々~上高地」を予約しますが、復路は「上高地~新島々~松本駅」を予約できます。
新島々でバスを降りて、「鉄道上高地線」の改札に並ぶと、駅係員がモバイルチケットを確認したうえで、紙の乗車券を手渡してくれます。
- 列車が着いて、改札が開くと、その紙の乗車券を係員に見せて入場し、乗車します。
- 松本駅では駅係員がいる窓口で紙の乗車券を手渡して出場します。
なんとアナログな。
予約システムを電子化したのに、現場の運用は昔のままです。
2023年6月に利用したときは、バスと鉄道の紙のチケットが統合されていました。2025年現在、むしろ退歩してしまいました。
鉄道上高地線は、バスと同じくアルピコ交通が経営母体ですが、
- 内部の体制が独立している。
- システムを刷新するだけの採算がとれない。
といった理由で、予約システムの統合が進まないようです。
ICカード化は難しいとしても、QRコードを利用するシステムなら設備投資費用が比較的少ないでしょう。
立山黒部アルペンルートは、立山黒部観光、関電トンネル、富山地方鉄道など、異なる会社が連携し1枚の乗車券に統合し、QRコードでピッピッと大量の乗客をさばくようになったではありませんか。お手本にしてほしいものです。
上高地線は地元の足として利用されています。が、観光客の利用がないと採算がとれず、経営を維持できないとも言われています。利便性が増し、利用者が増えれば……と期待したいところですが、なにぶん単線なので増便が難しいという物理的な限界があるのも事実です。
何か良い解決策はないものでしょうか。
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