液体チョークの自作は秘伝のタレ方式で

液体チョークは、粉末チョークに比較して割高に感じられます。

そこで薬局でエタノールを買ってきて、粉末チョークといっしょにファスナー付きポリ袋(ジップロック等)に入れ、手でよく揉んで混ぜる。袋の端を切って、容器に絞り出す……。はい、筆者もそうして自作した経験があります。

しかし、たったこれだけの工程でも面倒くさくなって、最近ではもっぱら「秘伝のタレ方式」を採用しています。

液体チョークの自作:材料

  1. 液体チョーク「BOULDER X – LIQID CHALK」

    リーズナブルな価格の老舗国産品。この形状のボトルでラベルがちがう商品はたいていOEMらしい。まずは既製品で液体チョークの使い心地(とくに粘度)を確認しましょう。そして、この容器を自作用として毀れるまで使い続けましょう。アルコールへの耐性、使い勝手など申し分ありません。たぶん容器の蓋(蝶番部分)が最初に毀れます。そうしたら新品を買い直すだけです。

  2. エタノール

    筆者は現在、アルコール濃度が80%くらいのモノを利用しています。除菌効果がいちばん高いのは80%くらいで、もっと濃くても効果は落ちるらしい。常用すると手の脂がとれすぎて手荒れする可能性があります。お手本とすべき「BOULDER X」の場合、アルコール使用量は50~60%、低アルコールタイプで30%です。

  3. 粉末チョーク「東京粉末 – ピュアブラック」

    お手持ちの粉末チョークなら何でも良し。ただし「チャンキー(chunky)」と表記された固形混じりのチョークは容器に入れにくく、溶かしにくいのでおすすめしません。

  4. 漏斗

    何でも良し。筆者はたまたま持っていたダイソーの折り畳み式を利用中。BOULDER Xの容器にシンデレラフィットし、ぐらつきません。シリコン製?の表面に粉末チョークがひっかかりやすいのが難点です。プラスチック製のほうが良さそうです。
  5. パチンコ玉

    容器にパチンコ玉(直径11ミリの鋼球)をいれて振ると、エタノールと粉末チョークを効率よく攪拌できます。音の鳴り方で混ざり具合や粘度がわかります。パチンコ玉は1個で十分ですが、Amazonあたりで購入しようとすると、10個くらいが最小単位です。ジムのショップで1個100円くらいでバラ売りしてくれませんかね。(大量買いすれば1個10円未満)

液体チョークの自作:手順

既製品の液体チョークが減ってきたら、粉末チョークとエタノールを継ぎ足して、攪拌するだけです。

  1. 容器の蓋(キャップ)を外して、漏斗を挿しこみ、粉末チョークを適量注ぎこむ。たぶん引っかかるので、容器ごとトントン床に打ち付けて、ふるい落とす。
  2. エタノールを適量流し込む。漏斗がなくても流し込めるが、漏斗に付着した粉末チョークをできるだけ洗い落とす。
  3. パチンコ玉を入れる。
    これが肝です。最初に1回だけ。容器が毀れたら、取り出して次の容器で使い回す。
  4. 容器の蓋をしめて、バーテンダーがカクテルをシェイクするように攪拌する。
    パチンコ玉の音がしないなら、エタノールを注ぎ足す。

以上。

「ジップロックのなかで混ぜ合わせる」といった中間作業が不要です。

炭酸マグネシウムとエタノールを継ぎ足して育てる「秘伝のタレ方式」、お試しください。


閑話休題。「free fan 2011 spring #063 」に液体チョーク「BOULDER X」を製造販売するM-Factoryのインタビュー記事があります。

当時で年間1万本出荷していたらしい。ベアールから輸出しないかと引き合いがあったけれど、アルコール類の取り扱いは手続きが面倒で断った。その後ベアールはノウハウを拝借して自社製品として製造販売を始めた模様。別にいいんじゃない?という大らかさです。

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