外観
お湯を沸かすだけなら、ジェットボイルを持っていきますが、コッヘルやフライパンで炊事する場合にはスノーピークのギガパワーストーブ「地」を持っていきます。
白を基調としたガスカートリッジとあいまって、外観のデザインの美しさは業界随一だと思います。
自然を模倣したかのような開閉機構
ゴトクが花びらのように開き、コッヘルをのせるとその重力によって、根本のストッパーに押し付けられて、ピタリと固定します。
収納時には花が蕾になるようにゴトクを閉じます。屈曲部が折り重なる姿が見事です。
自然を模倣したかのような開閉機構は合理的で美しい。まさしく機能美です。
シンプルなので耐久性が高い
PRIMUSから乗り換えた
スノーピークの「地」を買う前、PRIMUS EXQUIZA EX-ULT-1Aを持っていました。
ゴトクが水平方向に回転し、閉じると「I」、開くと「X」になる開閉機構になっていました。長年使用するうちに、ゴトクを全開にした位置で固定する突起が摩耗して、「X」が意図せず閉じるようになりました。コッヘルをのせると危なっかしいので使わなくなりました。
ギミック満載の他製品も選択しにくい
PRIMUSの現行製品「P-153」や「P-115」も同じ機構となっており、3~4本のゴトクが独立して開閉したり、ゴトクの途中が2つに折れたり、よりコンパクトに折りたためるように進化しています。なんだかアイアンマンスーツの装着シーンさながらです。ここまでコンパクト化を追及する必要があるのでしょうか。こうしたギミックが多くなるほど、故障しやすく、重量がかさみます。突起が摩耗すると機能が損なわれる心配があるので、この2製品は私の選択肢から外れます。
同じ理由で、スノーピークのギガパワーマイクロマックスも選択肢から外れます。
SOTOの「ウインドマスター」はシンプルで好みですが、ある日突然、ゴトクが金属疲労でパキッといかないか心配です。
ガスカートリッジといっしょに収納可能なコッヘルが販売されている
「地」に限りませんが、軽量コンパクトなストーブはガスカートリッジといっしょにピッタリと収納可能なコッヘルが各社から販売されています。ジェットボイルを導入するまでは、以下の製品を組み合わせました。
- スノーピーク ギガパワーストーブ「地」
- スノーピーク ギガパワーガス110プロイソ
- エバニュー EXPEDITION TITANIUM SERIES 深型Pot 500
- ユニフレーム TITUN MUG 260(廃番)
フリークライミングやボルダリングの岩場でコーヒーやカップヌードルのお湯を沸かすのに活躍しました。縦走するわけではないので、荷物を切り詰める必要はなかったのですが、軽量コンパクトに徹していました。
収納例
小型のガスカートリッジ(110g缶)を逆さまに深型Pot 500に入れ、ガスカートリッジの底の湾曲部に「地」を横倒しに置きます。火力調節ツマミは出っ張らないように横に位置させます。
蓋がピタリとしまります。
付属のスタッフサックに収納しました。
えっ、マグカップはどうするんだって? さすがにポットには入りません。
カップヌードルの底にピタリと嵌めて、省スペース。そしてカップヌードルの容器を保護します。
ガスカートリッジに装着したままパッキングできない設計
ものぐさな人は「ガスカートリッジに装着したままパッキングできないか」と考えるかもしれません。火力調節ツマミを右いっぱいに閉じた状態だと、オートイグナイター付近の出っ張りに引っかかって折りたたむことができません。オートイグナイター非搭載モデルでも、ゴトク部と揃った角度で折りたたむことができません。
メーカー側が安全のためそう設計しているのでしょう。
ゴトクを赤熱させると暖かい
故・新井裕己さんが雪山の生活技術として「青い炎のガスを直接つけているより、金属を赤く赤熱させたほうが暖かい」「スノーピークの場合ゴトク部分を広げないで火をつけるとゴトクが赤熱して暖かい」と指摘されています。
原理はコールマンの「遠赤ヒーターアタッチメント」等と同じです。
テントが風でばたつくと、こうした遠赤ヒーターは転げ落ちる危険がありますが、「地」のゴトクなら大丈夫です。ただし、ガスカートリッジの過熱に要注意。雪山限定でしょう。こうした裏技的な利用法は自己責任となります。
ランタンで照明と暖房を兼ねるのが無難です。
さらなるモデルチェンジに期待したい
「地」の現行モデルは軽量化されています。火力調整ツマミの形状が三角形から五角形に変更されました。
次にモデルチェンジする際には、低温下でも火力を安定させるレギュレーターを搭載し、バーナーの形状を風に強くしてほしいところです。
コメント