グリップセイバープラスで手指を鍛える ~ 手首、前腕、肘のケア、リハビリにも効果的

グリップセイバープラスとは

グリップセイバープラスとは、

  • 指を握る負荷となる柔らかいボール
  • 指を開く負荷となる伸縮性のゴム

が一体化したトレーニング器具です。

クライミング専門メーカーメトリウス社が製造販売する商品です。

その効果について、公式サイトはこう謳っています。

手、手首、前腕の筋力をバランスよく強化できる、医師が開発したトレーニング器具。クライミングでは指や手首を曲げる力は使いますが、伸ばす力はあまり使いません。ボールを握って開くエクセサイズを繰り返すことで、指や手首を伸ばす筋力を鍛えることができ、クライミングによる障害を予防できます。

筆者はトレーニングというより「指のコワバリをほぐす」ことを主な目的として使っています。

たとえば、クライミングで指を酷使した人の多くが、中指と薬指が伸びにくくなります。私もそう。

中指と薬指の第二関節が曲がっている

グリップセイバープラスを使った直後には指が伸びやすくなります。指関節がきしむ感じが緩和します。

拮抗筋を働かせることによって「積極的休養アクティブレスト」に似た効果を得られるのだろうと解釈しています。

グリップセイバープラスの取扱説明書

表面:組み立て方とエクササイズの準備

特筆すべきは公式サイトには書かれていない効能です。

手根管症候群(指、手が痛む症状)のリハビリや、指、手首、の傷害予防に効果的です。

手根管症候群」が重症化して神経麻痺にいたると手指に力が入りにくくなります。「肘」に言及しているあたり、「肘部管症候群」の予防にも効果がありそうです。

裏面:エクササイズの種類

エクササイズの種類については公式サイトの取扱説明書(PDF)と同じ内容です。

筆者は現在、一日に一回「右手で30回握って開く。左手で30回握って開く」を3セットおこなっています。開く動作のほうを強く意識します。ジムで登った当日も、いや当日にこそ、やります。左右に付け替えるのが面倒ですが、長時間付けたままだと指先が鬱血するのが気になるんですよね。

独自の考察:伸筋を鍛えるゴムはていねいに扱おう

伸筋を鍛えるゴムのほうは取り扱い注意です。着脱するときに爪を立てないように気を付けましょう。

いちおうタブ(ツマミ)がちょこんと飛び出していますが、小さすぎて、そこだけつまむのは困難です。無理につまむと、そこからゴムが裂ける原因となりかねません。

指の腹でおおまかに挟んで持ち、輪っかをひろげて、指に嵌めましょう。どうしてもネジレが発生しますが、最後に反対方向に転がして修正すればOKです。

グリップセイバープラスの買い方

グリップセイバープラスは強度によって、

  • ソフト(ブルー)
  • レギュラー(レッド)
  • ハード(オレンジ)

の3種類が用意されています。

病気や障害からのリハビリなら「ソフト」から始めることになるでしょう。

クライミング(ボルダリング)をある程度やりこんで、手指や前腕、肘をケアしたいという人なら、迷わず「ハード」を購入することをおすすめします。

ゴムが切れたとしても、丸ごと買い替える必要はありません。替えゴムが販売されています。

グリップセイバープラスの代用品

「グリップセイバープラスは高すぎる」と思う人はこちらをご検討ください。

ボールとゴムが独立した「テトレ」

ソフト/ミドル/ハードを選択可能。

「ハード」を買ったら、負荷が強すぎたので、「ソフト」を買い直しました。日本語のしっかりしたお手紙が同梱されていて、品質を信頼できそうです。

グリップセイバープラスと並べてみた

「ソフト」ですら、グリップセイバープラスの「ハード」より強力です。

「手指をケアする」レベルを越えて、「鍛える」レベルに踏み出すなら、有力な選択肢となるでしょう。

伸筋運動にフォーカスした商品「フィンガスー ストレングスナー」

伸筋を鍛える目的に特化するならコチラ。2個セットです。

自力グリップセイバープラス?

最後にとっておきの代用品を紹介します。

自力で指を反らす」運動が案外効果的です。

単純に「指を握って開く」動作を繰り返します。指をそらすことを強く意識します。

もう片方の手で押さえてアイソメトリック(静的)な負荷をかけても良いですが、やはり指の動きをともなうほうが心地よく、手指のコワバリをほぐす効果が高いと感じます。

湯船なんぞに浸かりながらしっかり100回もやると、水の抵抗が加わるせいもあって、かなり効きます。グリップセイバープラスの何分の一かの効果はあるように感じられます。

これなら出費ゼロ。旅行先でエクササイズするために器具を持ち運ぶ必要はありません。

クライミングやボルダリング帰りの温泉♨で、ライバルたちが夢見心地でふやけているとき、水面下でこっそりエクササイズに励みましょう。

まとめ:すべてのクライマーとボルダラーにおすすめ

クライミングやボルダリングで酷使した指、手首、前腕、肘を癒すためには、アイシングやマッサージを励行したいもの。

しかし、アイシング用の氷(冷凍庫)や容器(バケツ)を用意しているジムは少数派ですし、前腕ならまだしも手指をどうマッサージしたら良いのやら……。

グリップセイバープラスはクラミング専門メーカーが主導して、医師が開発したトレーニング器具です。その設計に身をゆだねて、握って開く単純な動作をおこなうだけで、手指のコワバリがほぐれ、前腕の深部が整う感覚を得られます。

  • ジムの帰りに歩きながらでもエクササイズできる。
  • お値段は、整体院に1回通うより安い。

すべてのクライマーとボルダラーにおすすめします。

登山用品

コメント