
大容量バッテリーを搭載し、そのバッテリーをスマートフォンなどへの給電にも使えるマイルストーン(milestone)のヘッドランプ「MS-i1 “Endurance Model”」。
当ブログでも以前レビューした、明るさと使い勝手のバランスが魅力のモデルです。その後継となる「MS-i2 “Endurance PRO”」が登場しました。

主な変更点は、バッテリーの大容量化、LEDの構成変更、そしてヘッドバンドの改良です。さらに、付属のスペーサーを使えば、MS-i1の純正バッテリーも引き続き使用できます。
この記事では、メーカー公表の仕様とMS-i1での使用経験をもとに、両機種の違いを整理します。あわせて、市販の18650電池や21700電池を流用できる可能性についても、確認できていることと未確認の部分を分けて考えてみます。
※MS-i2の実機レビューではありません。市販電池の装着・動作についても未検証です。
MS-i1とMS-i2のスペック比較
まずは基本仕様を比較します。
| 項目 | MS-i1 “Endurance Model” | MS-i2 “Endurance PRO” |
|---|---|---|
| 最大光量 | 1000lm | 1100lm |
| LED構成 | 白色・電球色のミックス | ナチュラルウォームカラー4灯 |
| 標準バッテリー | MS-LB3(3400mAh) | MS-LB4(5000mAh) |
| メーカー指定の対応バッテリー | MS-LB3 | MS-LB4/MS-LB3 |
| 重量 | 175g(電池込み) | MS-LB4使用時208g/MS-LB3使用時185g |
| 防水性能 | IPX4(防沫型) | IPX4(防沫型) |
| バンド | 従来型 | クイックアジャストバンド |
| モバイルバッテリー機能 | あり | あり |
| 公式販売価格(税込) | 15,400円 | 19,800円 |
価格は2026年10月23日時点の公式掲載価格です。仕様の出典:MS-i1公式ページ、MS-i2公式ページ。
最大光量の差は100lmですが、注目したいのは点灯時間とバッテリーの選択肢です。一方で、標準バッテリー使用時の重量は33g増えています。MS-i2は、長時間行動への対応を強化したモデルと捉えると特徴がわかりやすいでしょう。
MS-i1からMS-i2への主な進化点
1.白色・電球色のミックスから、ナチュラルウォームカラー4灯へ

MS-i1は白色LEDと電球色LEDを組み合わせた構成でした。MS-i2ではナチュラルウォームカラーLEDを4灯搭載しています。
以前のMS-i1レビューでは、壁を照らした際の、広くフラットな照らし方が印象に残りました。MS-i2では、この照らし方がどう変わったのかに加え、光の色味の違いにも注目したいところです。
メーカーは自然光に近い灯りによる視認性を特徴としています。ただし、霧や雨の中での見え方、路面の凹凸の捉えやすさ、長時間使用した際の目の疲れについては、実際の条件をそろえて比較したい部分です。LEDの色が変わったことだけで、あらゆる状況で見やすくなったとは断定できません。
2.5000mAhのMS-LB4で、点灯時間が延長

MS-i2には、新しい専用バッテリー「MS-LB4」が付属します。容量は5000mAhで、MS-i1のMS-LB3に対して約47%増えています。
各モードの公称光量と点灯時間は次のとおりです。
| モード | MS-i1:MS-LB3使用 | MS-i2:MS-LB4使用 |
|---|---|---|
| LOW | 65lm/53時間 | 100lm/76時間 |
| MID | 260lm/11時間 | 350lm/19時間 |
| HIGH | 480lm/8時間 | 730lm/12時間 |
| ULTRA HIGH | 1000lm/7.5時間 | 1100lm/10時間 |
MS-i2は各モードで光量が増え、点灯時間も延びています。ただし、両機種で光量設定が異なるため、この表は同じ明るさでの持続時間を比較したものではありません。
特に注意したいのは、最大光量をそのまま維持する時間ではないことです。
MS-i2の公式説明では、点灯から約2分後に徐々に明るさが減少するとされています。「ULTRA HIGHで10時間」は、1100lmが10時間続くという意味ではありません。明るさを時間とともに調整しながら、長時間の点灯を目指す仕様です。
夜間行動の計画では、公称点灯時間に加え、実際に必要な明るさをどれだけ保てるかも判断材料になります。
3.クイックアジャストバンドでフィット感を調整

MS-i2ではクイックアジャストバンドを採用しています。メーカーが掲げる狙いは、激しい動きに対応するフィット感の向上です。
ヘッドランプは明るさだけでなく、走ったときの揺れや締め付けも使い心地を左右します。バッテリーの大容量化で重量が増えたMS-i2では、バンドの改良も重要な変更点と言えそうです。

一方、基本的な点灯操作は従来と共通です。
- 明るさはMID → HIGH → ULTRA HIGH → LOWの順に切り替え
- 点灯中にボタンを2秒長押しして消灯
- 消灯中にボタンを2秒長押しして誤点灯を防ぐロック
ロック機能はMS-i1にもあるため、新しく追加された機能ではありません。MS-i1に慣れている人には、基本操作を引き継げる点も利点になるでしょう。
純正MS-LB3を引き続き使える

MS-i2には、旧モデル用の純正バッテリー「MS-LB3」を装着するためのスペーサーが付属します。
すでにMS-i1と予備のMS-LB3を持っている人にとって、バッテリーを引き継げるのはうれしいところです。MS-i2でMS-LB3を使った場合の点灯時間も、メーカーから公表されています。
| モード | MS-LB4使用時 | MS-LB3使用時 |
|---|---|---|
| LOW | 76時間 | 60時間 |
| MID | 19時間 | 15時間 |
| HIGH | 12時間 | 10時間 |
| ULTRA HIGH | 10時間 | 8時間 |
| 本体重量(電池込み) | 208g | 185g |
出典:MS-i2公式仕様。いずれも減光を伴う公称点灯時間です。
MS-LB3を選ぶと、MS-LB4使用時より23g軽くなります。ただし、MS-i1の175gに対しては10g増です。
長時間行動にはMS-LB4、少しでも重量を抑えたいときにはMS-LB3という使い分けができます。
市販の18650電池は流用できるのか?

ここからは、メーカー指定外の市販電池についての話です。
以前のMS-i1レビューでは、手持ちの18650電池を自己責任で試しました。長さが足りず点灯しなかったものがある一方、点灯した電池もありました。
この経験から気になるのが、「MS-i2でも付属スペーサーを使えば、市販18650電池を流用できるのでは?」という点です。
スペーサーは純正MS-LB3に対応したもの
公式に確認できるのは、付属スペーサーによる純正MS-LB3への対応です。市販の18650電池全般への対応ではありません。
同じ18650系でも、保護回路やUSB充電端子の有無、プラス極の形状などによって完成品の寸法が異なります。以前のレビューで測ったMS-LB3の長さは約71.5mmでしたが、市販品がすべて同じ長さというわけではありません。
そのため、スペーサーに収まっても電極に十分接触しない、あるいは寸法が合わず正常に装着できない可能性があります。スペーサーがあれば、純正品との寸法差をすべて吸収できるとは限りません。
MS-i1で点灯した市販電池についても、MS-i2での装着や動作まで保証されるわけではありません。
現時点では、「手持ちの純正MS-LB3は引き継げる。市販18650電池の流用は未確認」と整理するのが適切です。
市販の21700電池を流用できる可能性は?

新型MS-LB4は5000mAh・3.6V、重量約79gの専用バッテリーです。充電と外部機器への給電に対応しています。MS-LB4公式仕様
この容量や外観から、18650より大きな「21700」規格の電池との関係が気になります。ただし、確認した公式製品ページには、MS-LB4の内部セルが21700であるという明記はありません。容量と重量だけでセル規格を確定することもできません。
市販21700電池を自己責任で流用できる可能性はありますが、現時点では仮説です。
仮に内部セルが同じ規格であっても、USB端子や保護回路を備えた完成品は、生セルとは全長や端子形状が異なります。USB Type-C端子付きの市販品であっても、MS-LB4と同じ寸法・仕様とは限りません。
また、ケースに収まり点灯することと、適切な保護機能を備えて安全に使用できることは別の問題です。
本記事では市販21700電池の装着・動作を確認していないため、互換品として紹介できる段階ではありません。流用の可能性は興味深いものの、購入判断ではメーカー指定のMS-LB4とMS-LB3への対応を基準に考えたいところです。
※市販電池の流用はメーカー指定外です。「自己責任」と記載しても安全性が確認されるわけではなく、寸法や電気的仕様が合わない場合には故障・発熱・発火などにつながるおそれがあります。
モバイルバッテリー機能は継承。充電方法には注意

MS-i1の魅力だった、専用バッテリーをスマートフォンなどへの給電に使える機能はMS-i2でも継承されています。
ヘッドランプ用の予備電池が、ほかの機器の予備電源にもなる。この使い方は、持ち物をまとめたい登山者にとって魅力があります。ただし、外部機器へ給電した分だけ、ヘッドランプに使える残量は減ります。
また、MS-LB4についてメーカーは、充電・給電ともに付属の専用USB Type-Cケーブルを使うよう指定しています。旧モデルで試したケーブルの使い方が、そのまま新型にも当てはまると考えないようにしたいところです。MS-LB4公式の注意事項
MS-i1から買い替える価値はある?

MS-i2で注目したいのは、最大光量が100lm増えたこと以上に、バッテリーの大容量化と各モードの設定変更です。
夜間行動が長く、MS-i1では電池交換のタイミングが気になっていた人にとっては、買い替えを検討する理由になります。純正MS-LB3を予備として引き継げる点も、既存ユーザーにはメリットです。
一方、MS-i1の光量と点灯時間に不満がなければ、急いで買い替える必要はないでしょう。MS-i1には、MS-i2より軽い175gという利点があります。
なお、防水性能は両機種ともIPX4です。新型になったことで防水等級まで上がったわけではありません。
MS-i2を検討したい人
- 夜間行動が長く、バッテリー容量に余裕を持ちたい人
- ナチュラルウォームカラー4灯の見え方に関心がある人
- バンドのフィット感を重視する人
- 純正MS-LB3を活用しながら新型へ移行したい人
MS-i1を使い続ける価値がある人
- 現在の明るさと点灯時間で足りている人
- 少しでも装着重量を抑えたい人
- 夜間行動が比較的短く、大容量化の恩恵が小さい人
まとめ:MS-i2は長時間行動への対応を強化した後継機

MS-i2 “Endurance PRO”は、MS-i1の交換式バッテリーとモバイルバッテリー機能を引き継ぎながら、大容量化、暖色LED4灯、クイックアジャストバンドを採用したモデルです。
重量は増えましたが、純正MS-LB3を使って軽量化する選択肢も残されています。既存の純正バッテリーを活用しながら移行できる点は、MS-i1ユーザーにとって見逃せません。
一方、市販18650電池は純正品との寸法差があるため、付属スペーサーを使っても流用できない可能性があります。21700電池についても、自己責任で流用できる可能性はあるものの、現時点では未検証です。
買い替えの判断では、まず「自分の行動時間に対して、今のMS-i1で足りているか」を考えるとよいでしょう。長時間の夜間行動に向けて容量の余裕を増やしたいなら、MS-i2は注目したい後継機です。


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