登山におすすめのウエストバッグ、ドイターの「ベルト II」

登山においてはウエストバッグ(ウエストポーチ)もまた「装備の軽量化」と「利便性の確保」のはざまで選択に頭を悩ます装備です。

厳しい登山ではそもそも装備から削るでしょうが、ゆるめの登山ではウエストバッグがあると何かと便利です。特に夏場、上半身がTシャツ1枚で、小物を身に付けるポケットが不足するとき、ウエストバッグを利用すれば、財布、スマートフォン、コンパクトカメラ、ウォークマン、地図、コンパス、メモ帳などを詰めて、身軽に歩き回ることができます。

サコッシュよりウエストバッグが好き

近年、同じ用途でサコッシュの愛用者が増えていますが、個人的には今一つ使い辛いと感じています。胸の前でぶらぶら揺れると気が散りますし、難所を通過するときには足元の視界をふさぐぶん危険度が高まります。ウエストバッグなら腰回りにしっかり固定できます。もしサコッシュないしボディバッグ風に使いたければ、胸の前にたすき掛けすれば良いのです。

たとえば夏の涸沢に公共交通機関を利用して出かける場合、電車やバスでは下界の暑さにもろに晒されるため、ポケット豊富なジャケットなんか着ていられません。身の回り品はウエストバッグに詰めて過ごすのが得策です。新島々でバスに乗り換えるとき、メインのザック(リュック)はバスの床下に格納するため、サブザックの必要性がいっそう高まります。

上高地でバスを降りて歩き始めるとき、それまで腰に巻き付けていたウエストバッグをリュックの胴回りに巻き付けて、サイドポケットに変身させます。しっかり固定できるのがウエストバッグの良いところです。テント場に着いたら、カシャッとバックルを外して腰に付け替え、山小屋で受付を済ませます。帰路はこの手筈が逆順になります。上高地でバスに乗り込むとき、熱い缶コーヒーをウエストバッグに忍ばせ、大正池のわきを走るあたりで、琥珀の液体を喉に流し込むのが至福の時間です。

ここ15年ほど、モンベルのデルタガセットポーチM(旧型)を使い倒してきました。

今夏、猛暑登山から帰宅し、フロントポケットからウォークマンを取り出したところ、何やら表面がベトベトしているではありませんか。

ウエストバッグの内側を点検すると、コーティングがボロボロに剥がれつつありました。暑い時期を過ぎれば落ち着くとわかっていますが、そろそろ買い換えてもバチは当たらないでしょう。

インターネットで容量2リットル前後の製品に目星を付けました。いざ店頭におもむいて実物を確認しようとしたら、予定外のダークホースが待ち受けていました。

ドイターの「ベルト II」近影

全体

価格がお手ごろで、容量が多めにもかかわらず軽量な点が気に入りました。

台紙

私はⅡモデルを買いましたが、ひと回り小さいⅠモデルも存在します。

前面

軽量化のためか、メインコンパーメントのファスナーも片開きのファスナーとなっています。

背面

背面のパッドはありません。バックルは片側で留めるタイプです。折り返した末端がブラブラしないのは良いですが、長さを調整するにはひと手間かかります。自分の場合、いちばん短くすると丁度いい具合に腰回りに適合します。細身の女性だと余るでしょう。外側のストラップがたるむことを気にしなければ、もっと引き絞ることができます。

インナーポケット

メインコンパーメントの内側にはメッシュ製の仕切りが付いています。6.4インチくらいの大きめのスマートフォンでも余裕しゃくしゃくで入ります。

キークリップ

フロントポケットの内側にはキークリップが付いています。

モンベルのデルタガセットポーチMとの比較

容量が増えたにもかかわらず重量は減りました。

収納例

財布もウォークマンもぎりぎり押し込む必要がありません。コンビニの菓子パンやコーヒーだっていっしょに詰め込めます。

まとめ

登山で使いやすいウエストバッグの容量は2リットルくらいだというのが持論です。大きすぎるウエストバッグを腰の前に付けると足上げの邪魔になります。

その他、選び方の基準についてはこちらの記事で書きました。メインコンパーメントのファスナーは「上面に真っ直ぐ」が好みです。

モンベルの古いデルタガセットポーチを愛用しています
モンベルの古いデルタガセットポーチを愛用しています。15年くらい前に買った気がします。別のウエストポーチや、今風のサコッシュも持っていますが、自然とコイツに戻ってきます。どこが良いのか、どう使っているのか書いてみます。

ちなみにインターネットで目星を付けていった製品はこちら。

やや小ぶりで、モンベルのデルタガセットポーチMと同じくらいの容量です。デザインが美しい。もし店頭にいっしょに並んでいたら悩んだにちがいありません。

こちらは撥水性の高いファスナーを採用し、防滴性の高さがウリです。

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