ウールの分厚いソックスも断捨離したアイテムのひとつです。
無雪期の稜線歩きには軽量なトレッキングシューズに中厚手のソックスを合わせていました。
スペック(ウールの混紡率や厚み)を押さえれば、どのメーカーの製品でも大差ないと思うのですが、新品の登山靴に合わせて、少々こだわりました。
FITSのソックスを指名買いした
これまた「バックカントリー穂高」さんお薦めのFITSの「ヘビーエクスペディションブーツ」を指名買いしました。
店長さんは「たまたま洗濯のローテーションが合わず、スマートウールを履いて山に登ったら靴擦れした」とまで言われています。
特徴は踵部分が立体的なこと。足を入れると、出っ張った部分にすっぽりと踵がおさまります。靴を脱いだ時に、いっしょに脱げにくいという触れ込みです。
日本人の足は欧米人と比べて、踵の出っ張りが小さいので、あまり気にしなくていい気がしますが、その点を度外視しても高品質なソックスだと思います。
東京近辺の実店舗では見かけなかったので、インターネットで購入しました。
昔はソックスを二重にして履く人が多かった
最近は分厚いソックスを一枚履くのが主流ですが、昔は二重にして履く人が多かったようです。
私は灰色のロングソックスの上に赤いショートソックスを履くスタイルで長いこと登りました。「無難な灰色」と「差し色に情熱の赤」を意図したような、しなかったような。
どちらもロングだと、ふくらはぎを締め付ける力が強すぎて血行が悪くなり、ひいては凍傷になりやすいのではないかと気を回しました。登山靴と接する部分が二重になっていれば保温性は十分です。
予備のソックスとして、指先に穴があきかけた古いソックスを持っていきました。履き替え用というよりは、転用を想定してのことです。
穴のあいた靴下を手袋にする
「青春を山に賭けて」のなかで、植村直己さんはアコンカグア登山の許可を得るため、軍の司令官の前で演じたこんなエピソードを書いています。
おまけに私の装備ときたら、フランスの登山以来のものだから、ひとさまにお目にかけるしろものではない。毛の手袋は破れて三本の指が頭を出し、毛の下着も破れてボロボロだ。(中略)私は穴のあいた靴下に手をつっこんでみせ、「靴下は足にはくばかりでなく、寒いときはこうすれば手袋のかわりになります」とやった。黒山の人だかりがドッと笑った。
なるほど! 手袋を濡らしてしまい、どうにもならなかったら、ソックスである程度代用できるのです。
ソックスをテルモス(魔法瓶)の保温、緩衝ケースにする
私はそこまで極限的な状況に追い込まれた経験はありませんが、もっぱらテルモス(魔法瓶)の保温ケースとして利用したので無駄にはなりませんでした。
登山用の安価な魔法瓶は内側がガラス製だったので、緩衝ケースとしても有効でした。
ざっくりとした筒状のアイテムは応用がききやすいのです。
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