甲斐駒ヶ岳・黒戸尾根【入山編】

2017年9月8日~9日に甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根を登った記録です。

積雪期も含めて4回目ですが、今年はひと味ちがいました。

小淵沢駅の駅舎が建て替えられたこと。
七丈小屋の管理が新体制になったこと。
ズッシリ重いコーヒーミルを担ぎ上げたこと。
「鉄人」と出会ったこと……。



中央線の普通列車(八王子発6:33)に乗りました。


電車で出かけるときは、NEW DAYSの「おむすびランチ」がお気に入りです。
「おむすびだけだと物足りないし、がっつりオカズが充実した弁当はいらない」
お手頃なボリュームです。以前は小さなプラスチックのフォークが付属しており、これまたコンパクトなたたずまいで食事できる完ぺきなパッケージだったのですが、別に割り箸をくれるようになりました。電車の座席でわしゃわしゃ箸を使うのは目立つので、できれば付属フォークを復活してほしいです。


小淵沢駅の駅舎がモダンになっていました。2017年7月3日から営業を開始したそうです。

小淵沢駅に「エコステ」新駅舎 駅そばの名店も引っ越し

なんでNEW DAYSがないの?


駅前のさびれた喫茶店がいつも気になります。営業しているのでしょうか。甲斐駒ヶ岳は雲に隠れています。


タクシーをすっとばして、尾白川渓谷の駐車場へ。料金は3,970円でした。


すぐに竹宇駒ヶ岳神社へ歩き始めます。


七丈小屋の歩荷の方でしょうか。スタスタと追い抜いて行かれました。


尾白渓谷にかかる吊り橋を渡ると、すぐに山道になります。


靴ひもをしっかり締め直します。長丁場の登高なので、トレッキングポールを投入しました。熊鈴も忘れずに。


日は燦々と。朝方の谷筋は蒸し暑く、汗が吹き出します。


吊り橋から見下ろす渓谷は涼しげです。キャンプ場周辺のボルダーが今年5月にお披露目されました。

白州尾白川ボルダリングエリアでエンジョイクライミング!


登り始めてすぐ、ツキノワグマに注意するよう看板が立っています。


蒸し蒸しする樹林帯を登っていきます。道が左へ長くトラバースする箇所があります。そのあたりで谷筋とは気候が変わるのでしょうか、急に涼しくなりました。


苔をいただいた道祖神がところどころあらわれます。


笹の平分岐点までワンピッチ。ふだんは1時間くらい歩いて10分くらい休む派ですが、なんとなく「笹の平までワンピッチ」という意識にとらわれていました。あとでコースタイムを確認したら「2時間30分」となっていたので驚きました。ゆっくり巡行ペースで2時間くらいでしたので、まずまずの調子ではないでしょうか。


刃渡りの入口で次の一服。ふつうは刀利天狗まで行ってしまうのでしょうが、次の休憩予定地である五合目までは近いので、すこし手前で区切ることにしています。

バナナでエネルギーを補給。茶色いシュガースポットが栄養価の高さを主張して、ちょうど良い食べ頃です。入山初日の飲み物は、900mlくらいのペットボトル入りジュースです。たいていはキャンプ地に着いて、余った分が夕食用のビタミン剤になるのですが、この日は行動中に飲み尽くしました。


行く手の刃渡り。ここはいかにも危険箇所の風貌をしていますが、よほど迂闊な人でないと転落はしないでしょう。むしろ岩稜を過ぎて、ハイマツ沿いの道になってから、横を見るとスッパリ切れ落ちているので要注意です。


刃渡りの途中から八ヶ岳を遠望しました。


刃渡りを過ぎてから、黒戸尾根の真の難所であるハシゴ地帯が始まります。


刀利天狗を脇に見て、登り続けます。黒戸山の中腹を巻く道はなだらかなので、黒戸尾根全体の中ではいちばんほっとします。


巻き道がぐっと下り始めて、五合目に到着。そろそろ消耗が激しくなってきました。ここでカロリーメイトひと箱をむしゃむしゃ食べました。


祠の右奥からまたハシゴ地帯が始まります。


初っ端が、黒戸尾根で最長と思われるハシゴです。


ハシゴが次々あらわれます。


谷を横断して水平にかかる橋もあります。


今日の目的地、七丈小屋は手前の峰のなかにあるはず。

途中、垂直のハシゴがあります。5年前に来た時には、背後をおおう金網が付いていたと記憶しています。たしかにこのハシゴを踏み外したら、樹林におおわれた急斜面を真っ逆さまに墜落するような難所です。


垂直のハシゴからひと登りすると、七丈小屋に到着しました。

七丈小屋は2017年4月から、運営元が株式会社ファーストアッセント(責任者:花谷泰広さん)に変わりました。

甲斐駒ヶ岳 七丈小屋

この日のスタッフは若い方でした。現役バリバリのクライマーが自分自身の鍛錬を兼ねて入山されているのではないかと想像します。通年営業されるとのこと。今後に期待です。


キャンプの受付をして、豊富な水を補給させてもらいます。


いろんな飲み物、冷えてます。夜中にトイレに下りて、手を洗いにきたのですが、この箱にはしっかりカギがかけられていました。


キャンプの受付は小屋の外のカウンターで。これに気づかず、中に入っていったら、16時を過ぎる遅い時間帯で、すでに小屋泊まりの人たちのために配膳中でした。


売店のメニュー。


登山ルートの概念図など。


小屋を通り過ぎて、数十メートル先にトイレが建っています。トイレットペーパーが備え付けられています。「積雪期300円」「アイゼンでの入室はご遠慮ねがいます」の表示が気になります。昔、4月初頭に来たことがありますが、もちろん小屋は営業しておらず、このトイレも閉鎖されていたと記憶しています。


キャンプ指定地へは、七丈第二小屋の右の階段を登っていきます。


平日なのでテントは少なかったです。


自分は上段のサイト地にゴアライトを設営しました。


黒戸尾根ごしに小淵沢方面を見下ろします。


離れてポツンともうひとつのテント。


コーヒーミル(ポーレックスとかではない普段使いのモノ)を担ぎ上げました。コーヒー豆をガリガリ挽いて、淹れたコーヒーの美味かったこと!!


身体が乾いていたせいもあり、沁みました。このときのインパクトが強すぎて、翌日山頂までコーヒーミルを担ぎ上げて淹れたコーヒーの印象が弱くなった感は否めません。


上半身のウェアは、長袖シャツの上に、フリースとダウンジャケットを用意しました。


下半身のウェアは中厚手のトレッキングパンツの上にダウンパンツ。


寝具はモンベルの「ダウンハガー800 #3」と、「ブリーズドライテック サイドジップスリーピングバッグカバー」です。

ウェアも寝具も冬山用に近いです。


ふうー。人心地。


角形コッフェルの中に調理済みおでんパックを入れてきました。


リッツの外箱をコンロ台?にします。


ぐつぐつ。うまー。これだけでも夕食は満足なくらいでした。

100均で買ったキーホルダー用LEDライトを通気口のネットに入れて常夜灯にします。


食事の第二段。モンベルのリゾッタシリーズのガーリック味と、たまごスープです。夜のお供、カフェインレスコーヒーも飲みましたよ。


月夜と町明かりを鑑賞しました。


スマホの電源を入れてみました。ドコモの電波がしっかり入ります。


時間を持て余したら、Kindleを読むつもりでしたが、睡眠欲がまさりました。いつものことです。


ウォークマンでしばらくFM-FUJIを聴きました。

おやすみなさい。


※ 2017/9/9付の記事を改稿し、1日毎に分割しました。

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