登山タオルおすすめ~結局、温泉タオルが一番でしょう

登山用のタオルと言えば、速乾性や軽量コンパクトさを重視して、代用品を携行したくなります。私もあれこれ試しました。

私の選択基準は以下の通りです。

評価基準 5段階評価
夏山の滝汗を素早く吸収する。 ☆☆☆☆☆
できるだけ速やかに乾燥する。 ☆☆☆☆☆
浴用タオルとして使い心地が良い。 ☆☆☆☆☆
軽量コンパクトである。 ☆☆☆☆☆

私の登山用タオルコレクションから10アイテム紹介し、上記の評価基準で極めて主観的に5段階評価します。

登山用タオルコレクション①~⑤

① フジヤマタオル(25×100cm/綿60%、ポリエステル40%/実測44g)

評価基準 5段階評価
夏山の滝汗を素早く吸収する。  ★★★★☆
できるだけ速やかに乾燥する。  ★★★☆☆
浴用タオルとして使い心地が良い。  ★★★☆☆
軽量コンパクトである。  ★★★☆☆

普通のパイル地のタオルに近い肌ざわりです。ただし、なぜか背中流し向きのサイズ感になっています。私は普段、フェイスタイル(約34×85cm)を浴用に利用しているため、長いぶん持て余し、細いぶん拭き取り足りない感じです。マフラーとして流用するには良いかもしれません。速乾性はほどほどです。

コーナーにループが付いています。行動中にザックのカラビナなどを利用してぶら下げて乾かしやすくなっています。

② マフラータオル(約21×150cm/綿100%/実測47g)

評価基準 5段階評価
夏山の滝汗を素早く吸収する。 ★★☆☆☆
できるだけ速やかに乾燥する。 ★★★★☆
浴用タオルとして使い心地が良い。 ★★☆☆☆
軽量コンパクトである。 ★★★★☆

その名の通り、マフラー寄りの製品です。両端がフリンジになっています。顔を洗ったあとこれで拭くと、薄くてざらざらの生地が肌面にまとわりつき、拭き取った感が乏しい。浴用としては、石鹸をつけて身体をこすってみても、あまりスッキリ感は得られません。速乾性は良い。

③ SEA TO SUMMITの「Tek-Towel S」(40×80cm/マイクロファイバーテリースタイル/実測126g)

評価基準 5段階評価
夏山の滝汗を素早く吸収する。 ★★★★★
できるだけ速やかに乾燥する。 ★★☆☆☆
浴用タオルとして使い心地が良い。 ★★☆☆☆
軽量コンパクトである。 ★☆☆☆☆

店頭ではコンパクトに見えたのですが、バスタオルのような厚ぼったさです。これでSサイズ? 素材自体は乾きやすいのでしょうが、これだけ厚いと乾きにくい。入浴で使ってみたら、水をどっしりと吸収して重くなるので扱いづらかったです。

「SEA TO SUMMIT」のうちsea(海)のほうに焦点を合わせた製品ではないでしょうか。活動エリアまで車を利用できるなら、こうした重厚なアイテムを持ち込んで、がんがん吸水させるとよいでしょう。

コーナーにループが付いています。スナップボタンで片側を外すことができます。行動中にザックのストラップなどにぶら下げて乾かしやすくなっています。

④ モンベルの「クイックドライ フェイスタオル」(80cm×35cm/ナイロン20%+ポリエステル80%/80g)

評価基準 5段階評価
夏山の滝汗を素早く吸収する。 ★★★★☆
できるだけ速やかに乾燥する。 ★★★☆☆
浴用タオルとして使い心地が良い。 ★★★☆☆
軽量コンパクトである。 ★★★☆☆

SEA TO SUMMITの「テックタオル」が嵩張りすぎたので、もう一段階コンパクトな速乾タオルとして購入しました。

コーナーにループが付いています。行動中にザックのカラビナなどを利用してぶら下げて乾かしやすくなっています。

真夏の高尾山にて。尻の下に敷いて、背中から腰に滴り落ちる汗を吸い取らせました。

ザックの外側にぶら下げ、ワクワクしながら下山しました。が、小一時間程度ではじっとりと湿ったままでした。

⑤ 100均のマイクロファイバータオル(80cm×30cm/ポリエステル100%/実測45g)

評価基準 5段階評価
夏山の滝汗を素早く吸収する。 ★★☆☆☆
できるだけ速やかに乾燥する。 ★★★★☆
浴用タオルとして使い心地が良い。 ★★☆☆☆
軽量コンパクトである。 ★★★★☆

アウトドアブランドの速乾タオルは値段の割に満足感は低かったです。単にポリエステルやナイロンの素材でよければ、100均でも速乾タオルを入手できます。

重量は実測で45g。軽量コンパクトなぶん、吸水量には限りがありますが、速乾性は高い。普段使っているフェイスタオルに近いサイズ感なので浴用として使えなくもありません。高価な速乾タオルを買う前に試してみる価値はあります。

登山用タオルコレクション⑥~⑩

⑥ 日本手拭い(35×90cm/綿100%/実測38g)

評価基準 5段階評価
夏山の滝汗を素早く吸収する。 ★☆☆☆☆
できるだけ速やかに乾燥する。 ★★★★★
浴用タオルとして使い心地が良い。 ★★☆☆☆
軽量コンパクトである。 ★★★★★

軽量コンパクトなタオルと言えば、日本手ぬぐい(japanese towel)にトドメを刺します。小粋なアウトドア活動家には愛用者が多いのではないでしょうか。

浴用としては、はっきり言って物足りません。表面が毛羽立っていないので、肌をこすった感覚をあまり得られません(使い古すと良くなるらしい)。そのペラペラな見た目通り、吸水量は少なく、風呂上がりに全身を拭き取るには時間がかかります。速乾性は高い。

⑦ バンダナ(50×50cm/綿100%/実測24g)

評価基準 5段階評価
夏山の滝汗を素早く吸収する。 ★☆☆☆☆
できるだけ速やかに乾燥する。 ★★★★★
浴用タオルとして使い心地が良い。 ★☆☆☆☆
軽量コンパクトである。 ★★★★★

コンパクトな日本手ぬぐいと位置付けることができます。(欧米人に言わせれば、日本手ぬぐいこそ「細長いバンダナ」なのでしょうが)

これを入浴に使うには、日本手ぬぐい以上の我慢が必要となります。やはりシャワーで十分な欧米人向きだと言えるでしょう。タオルとしては吸水量が少なく、逆に速乾性は高い。

寒いときにはフェイスマスクやマフラーにしたり、熱い時には帽子と組み合わせて側頭部から後頭部にかけて日除けにしたりと汎用性が高い。

⑧ 平地付き綿フェイスタオル(30cm×80cm/綿100%/実測61g)

評価基準 5段階評価
夏山の滝汗を素早く吸収する。 ★★★☆☆
できるだけ速やかに乾燥する。 ★★★☆☆
浴用タオルとして使い心地が良い。 ★★★★★
軽量コンパクトである。 ★★★☆☆

「結局、薄手のコットンタオルのほうが使い心地が良くて、速乾性も高いんじゃないの?」というわけで、インターネットでタオルを渉猟しました。

こだわったのは、

  • 薄手
  • 色付き
  • 平地付き

という条件です。

色付きのタオルはたいてい厚手です。そして平地付きのタオルはたいてい白です。3条件を満たすタオルは限られています。

平地については説明が必要かもしれません。平地があると、バンダナのように頭にかぶるときに端を結びやすく、入浴時には耳の穴をかっぽじったりしやすいです。

重量は実測で61g。そこそこ軽量。200匁くらいの品です。

⑨ 残糸フェイスタオル(34cm×80cm/綿100%)

評価基準 5段階評価
夏山の滝汗を素早く吸収する。 ★★★☆☆
できるだけ速やかに乾燥する。 ★★★☆☆
浴用タオルとして使い心地が良い。 ★★★★★
軽量コンパクトである。 ★★★☆☆

こちらはごく最近コレクションに加わりました。

浴用の使い心地は普通のフェイスタオルと同等です。パイル地と平地が交互に縦筋になっているため、吸水量が多いわりに速乾性が高いです。フジヤマタオルのライバルとなり得ます。

平地の部分をハサミで切ると、ほつれることなく細長い布地を得ることができるそうです。下駄の鼻緒が切れたとき、さっと挿げ替えるのに向いています。そのシチュエーションに出会う機会はまずないでしょうが。

「残糸タオル」とは文字通り、タオルの残糸(従来は廃棄されていた糸)を再利用したタオルをさします。エスニックなデザインと機能性はなかなかのダークホースぶりです。

⑩ 温泉タオル(30×70cm/実測37g)

評価基準 5段階評価
夏山の滝汗を素早く吸収する。 ★★☆☆☆
できるだけ速やかに乾燥する。 ★★★★★
浴用タオルとして使い心地が良い。 ★★★☆☆
軽量コンパクトである。 ★★★★★

こうした薄手で安価なタオルを俗に「温泉タオル」と呼びます。浴場で安価に販売されていたり、旅館や民宿の名前入りで持ち帰りOKだったりします。

綿100%の極薄フェイスタオルはここに行き着きます。平地付きなのもグッド。重量は実測で37g。これで色付きだったら完璧なのですが……。

いちばん使い心地が良い速乾タオルは温泉タオルである

結局、私は綿パイルのタオルに戻りました。速乾性を求めるなら、できるだけ薄手のタオルを選べばよい。と言うか、山帰りの温泉でタオルを忘れたことに気づき、売店で買い求めたペラペラの温泉タオルがとても使い勝手がいいので、使い続けています。

  • 肌触りやサイズ感は日常使っているタオルと同じである。
  • 手で絞って水を切りやすいので、実質的な速乾性が高い。
  • 日本手ぬぐいと同等にコンパクトである。
  • 平地があると、バンダナのように結びやすく、耳の穴やヒダまで拭きやすい。

温泉タオルのスペック

薄手のタオルと言えば「160匁」くらいの製品をインターネットで見かけます。

えっ、「匁」って何? タオルのボリューム感を日本では昔から匁(もんめ)という単位で表記します。

  • 一匁 = 約3.75g
  • 160匁 = 約600g(3.75g×160)

えっ、一枚600gもあるの? いいえ、160匁という表記は慣習的に12枚分を意味します。つまり、1枚あたり約50gです。

前記の温泉タオルはなんと37g。やや小さめのサイズ(30×70cm)なので、120匁くらいに相当する薄さです。

【参考リンク】タオルの選び方について

日常生活ではフェイスタオルだけ
ミスマリストと呼ばれる人たちのあいだでは、「分厚くて乾きにくいバスタオルなんて使わない」「フェイスタオルを使いまわす」のが常識です。えっ、それって特別なの? と思った私はミニマリスト予備軍でしょうか。入浴はフェイスタオルだけで済ませます。

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